2016 Fiscal Year Annual Research Report
Novel energy development for Ubiquitous technology and its applications
Project/Area Number |
26420339
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安 昌俊 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (90453208)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / レクテナ / ビームフォーミング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究計画は、システム全体的に大規模災害時の緊急通信として応用するために必要なネットワーク構成と通信範囲を含む問題点を検討し、その問題点を解決する方法の提案とその有効性を検討することであった。特にGoogleの成層圏気球インターネットサービス計画は、気球を風に乗せて航行させる方法と、高さを変えることによって風を選びながら航行させる方法があり、それによって限定的操縦が可能となる。しかし、一つの気球を飛行させても上空に他の気球がある可能性もあり、逆に、周辺に他の気球が存在しない可能性も高いため、一定の地域をカバーし、通信を保障するためには、高度な情報トラフィックの管理が必要となる。そのため、エネルギー伝送のみならず、情報トラフィックの管理と最適化の検討として、干渉の低減法や情報信号をのせて伝送する際の初期同期の取得法などの研究を行った。成層圏の気球から地上への情報伝送は無指向性アンテナを用いて送信を行うが、無線電力伝送は地上から指向性アンテナで気球にエネルギーを送りだすため、強力な干渉波による通信品質の劣化という問題があり、無線と可視光通信を併用した通信方式を検討し、強力な干渉下でも通信品質の劣化を防ぎ優れたシステム性能の実現できることを示した。その結果は、IEEE Photonics JournalとElsevier Digital Signal Processingなどの論文誌に発表している。本研究期間中、無線電力伝送によるユビキタス情報機器の新しいエネルギー源として利用することを目指し、そのベースとなる高性能レクテナの開発とビームフォーミング技術による大電力化送信、さらに変調方式による発電量の時間変動に対する対策の研究がほぼ初期計画通りに進捗し、さらに高性能化が出来ればシステム全体的に大規模災害時の緊急通信としての応用が可能と考えている。
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