2015 Fiscal Year Research-status Report
モーション・ドップラセンシングによる人物の動きの検出・同定に関する基礎研究
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26420346
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 寛喜 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20251788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 宏之 国立研究開発法人情報通信研究機構, ワイヤレスネットワーク研究所, 研究員 (80358952)
西森 健太郎 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90500611)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 屋内位置推定 / モーションセンシング / MIMOレーダ / ドップラレーダ / 到来方向推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,MIMOドップラレーダによる準静止状態の複数人物の検出性能の実験的評価に加え,より実利用に適したロバストな位置推定システムとするため,スパース信号処理手法の導入とマルチスタティックレーダ構成による虚像を抑えた人物イメージング手法の開発を行った. MIMOドップラレーダによる準静止状態の複数人物の検出性能においては,学校教室や小規模オフィスの部屋を想定した座っている人物の検出を目的とした実験的評価を行った.観測時間を数秒と長くすることにより,僅かなドップラ変動の検出が可能となり,一定の分解能を実現できることを確認したが,分解能を高めるためMUSIC法,Capon法などの適用を行った場合には,人物ターゲットが角度・距離に広がりを持つ散乱を有しているため,解析パラメータの設定に注意が必要となることが明らかとなった.また,このような高分解能手法はシステムのキャリブレーション誤差にも敏感であり,実用的には,よりロバストな手法を開発する必要があるという結論に至った. 上記の問題点を解決するため,高分解能手法においてはスパース信号処理(FISTA, CoSaMPなど)の導入を進めた.この手法の導入により,少ないスナップショットあるいは1っスナップショット時のコヒーレントなターゲット応答に関しても,ターゲット数などのパラメータを設定することなく最尤推定レベルの高分解能特性が実現されることを確認した.また,よりキャリブレーションに対してロバストな位置推定手法として,マルチスタティックレーダ構成における距離,ドップラを使った2次元位置推定手法を考案した.いわゆる三角測量の原理に基づく位置推定であり,電気長補正程度の校正で十分である特徴があるが,虚像の発生が問題となるアプローチである.今年度の研究において,ドップラ情報などを併用した虚像を抑えたイメージングアルゴリズムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実用性を高めたドップラおよび位置推定の開発が進み,より容易な実験が可能となった.人物の動作・行動の特徴抽出,動作識別という問題が残っているが,今年度までの研究開発で,その実施基盤が十分に整ったので,最終年度の重点的な実験・データ解析により,その目標は達成できるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はスパース信号処理を実装したMIMO(あるいはマルチスタティック)ドップラレーダシステムの完成と,それらを用いた様々な人物動作のデータ収集を重点的に行う.さらに,それらのデータ解析により,動作識別・行動判断のカギとなる特徴パラメータを明らかにする.そのため,サポートベクターマシンや機械学習などの処理手法の導入も積極的に行い,コグニティブレーダ的なシステムに発展させることを計画している.
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Causes of Carryover |
研究分担者辻宏之氏との研究打ち合わせとして確保した予算であったが,辻氏の都合により,滞在日数が当初の予定より短くなったため,予算残が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度のデータ解析等において,打ち合わせ回数を増加させ,より密接な研究打ち合わせを行う予定である.そのための旅費・滞在費に充てる.
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