地震津波の緊急放送用ＣＡＴＶ放送信号の一括多チャネルＱＡＭ光変調方式の提案と実証

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26420349
• Research Institution: University of Toyama
• Principal Investigator: 菊島 浩二 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (50516242)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: アクセス系光ファイバCATV伝送システム

Outline of Annual Research Achievements

研究代表者が新規に提案している「一括多チャネルＱＡＭ光変調装置」の実証のための基礎実験を実施した。
最終的な構成では，緊急放送番組を，Ｉ信号（同相）とＱ信号（直交位相）に分け，それぞれ光変調器に入力するため，２台の光変調器が必要となるが，基礎実験として，１台の光変調器を用いてＩ信号（同相）に関してのみの実験を実施した。すなわち，この基礎実験では，多チャネルのマルチキャリアのcos波で強度変調した半導体レーザ（LD1）出力光を光変調器に入力し，緊急放送番組のＩ信号（同相）により，さらに光強度変調した。
光強度変調された信号光を，光受信機（ＰＤ）により，電気出力信号に光電変換し，オシロスコープと，スペクトルアナライザにより測定した。これにより，緊急放送番組のＩ（同相）信号によって，一括して多チャネルのマルチキャリアをＱＡＭ変調できたことが実証できた。
以上のとおり，研究代表者が新規に提案している「一括多チャネルＱＡＭ光変調装置」の実証のための基礎実験が成功した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成２７年度では，研究代表者が新規に提案している「一括多チャネルＱＡＭ光変調装置」のＩ信号（同相）のみでの基礎実験には成功した。しかし，まだ，Ｉ信号（同相）とＱ信号（直交位相）の２つの信号による最終的な構成での実験ができていない。

Strategy for Future Research Activity

平成２８年度には，最終的な構成での実験を実施する。
具体的には，２台の光変調器を用いて，緊急放送番組を，Ｉ信号（同相）とＱ信号（直交位相）に分け，それぞれ光変調器に入力することにより，多チャネルを同時に一括して，同一映像（緊急映像）でＱＡＭ変調できることを，Ｉ信号（同相）のみならず，Ｑ信号（直交位相）に対しても示す。

Causes of Carryover

光変調器を２台を購入して，実験していたところ，２台の光変調器のうち，１台は正常に動作して実験を進めることができたものの，１台は壊れてしまい，２台の光変調器を用いた実験ができなくなってしまった。
このため，最終的な構成での実験ができなくなり，最終的な実験構成に必要な物品の購入ができていない。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成２７年度までには，基礎実験しかできていないので，平成２８年度には，最終的な構成での実験に向け，光部品や電子部品を購入し，また，研究成果発表のための旅費や，学会誌投稿掲載料，別刷代に使用する。