2016 Fiscal Year Research-status Report
地震津波の緊急放送用CATV放送信号の一括多チャネルQAM光変調方式の提案と実証
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26420349
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
菊島 浩二 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (50516242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アクセス系光ファイバCATV伝送システム / 緊急放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が新規に提案している「一括多チャネルQAM光変調装置」の実証のための基礎実験を実施した。 最終的な構成では,光変調器を用いて光信号処理を行うことにより,より多くのチャネル数の実現を可能にする予定であるが,今回,その基礎実験として,電子回路を用いて実証のための基礎実験を実施した。実験の結果,ランダムディジタル信号による変復調に成功し,復調後の出力信号により16QAMのコンスタレーションを測定器に表示することができた。 また,QAM変調方式の拡張として,地上波デジタル放送で用いられているOFDM変調方式においても,同様に多チャネル一括OFDM変調ができることを数式を用いて明らかにした。OFDM変調への拡張が可能になれば,CATVの地上波デジタル放送の視聴者に対しても,緊急避難情報を迅速に,かつ的確に伝送できるようになる。地上波デジタル放送のテレビ局は通常各県単位にあるが,CATV局は各県に複数存在する。したがって,CATV局からの情報の方が,地域情報をきめ細かく迅速に発信できるというメリットがある。 また,CATVに加入していないホテルや旅館,学校等の館内放送システムにおいても適用が可能となる。館内の各部屋の家庭用テレビを用いて,この提案している多チャネル一括OFDM変調方式を適用することができる。CATVチューナは不要で,家庭用テレビの画面に館内で火災が発生している場所や,不審者のいる場所を表示し,さらには,避難経路までも表示することが可能となる。すなわち,これにより,建物内での火災や強盗などからの避難情報を迅速に,かつ,的確に伝送できるようになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が新規に提案している「一括多チャネルQAM光変調装置」の実証のための基礎実験では,電子回路による実証実験がコンスタレーション表示に成功し,おおむね終了したものの,光変調器を用いて光信号処理回路を用いた実証実験が,I信号(同相)のみでの基礎実験が成功したものの,Q信号(直交信号)を用いた2つの信号による実験がまだ終了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
電子回路を用いた基礎実験から得た知見を生かし,光変調器を用いて光信号処理回路を用いて,I信号(同相)とQ信号(直交信号)の2つの信号を用いた実証実験を実施する。
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Causes of Carryover |
当初,光変調器を2台,科研費により購入して,実験を進めていたところ,2台の光変調器のうち,1台は正常に動作して1台による基本的な動作実験は進めることができました。しかし,1台は壊れてしまい,本研究の最終目標での実験を進めるうえで必要な2台の光変調器を用いた実験ができなくなりました。その後,光変調器を追加して購入したものの,実験の進捗が遅れてしまいました。この実験の進捗の遅れにより,次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度,光変調器を2台用いた本研究の最終目標での実験系による実験を進めます。この際に必要となる光部品や電子部品を購入します。
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