2015 Fiscal Year Research-status Report
分散制御に基づく直接中継型電力パケット伝送ネットワーク
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26420365
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉山 久佳 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20264799)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スマートグリッド / 配電ネットワーク / 同期ネットワーク / 送電プロトコル / 電力パケット |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題とするパルス化配電ネットワーク(直接中継型電力パケット伝送ネットワーク)に関して,1:システムの動作を検証する実験システムの作成,および2:システム内送電容量の増大を可能にする双方向キャンセルアルゴリズムの設計,の2点を行った. 1は,当初は2015年10月に開催された国際会議 IEEE GCCE2015 のデモセッションでの展示を目的としていたが,同年8月に開催された展示会「イノベーションジャパン」に合わせて作成スケジュールを前倒しにして開発した.「イノベーションジャパン」では来場者からの大きな反響を呼び,特に日経BP社が関心を持ち,この結果「日経エレクトロニクス」と「日経エネルギーNEXT」での研究紹介記事となって広く技術社会にアピールする成果となった. 2は,パルス化配電ネットワークの基本的な問題点:電力パルスが使用する電力スロットの位置を電力ルータが柔軟に設定できない点に起因する送電容量の制約問題を解決することを目的としている.検討の結果,パルス化配電ネットワークの特長のひとつである,純粋な分散制御にもとづく高い信頼性を損なうこと無く,各ノードの自律分散処理によって目的とする双方向キャンセルを実現するアルゴリズムの設計,およびそのシミュレーションによる動作検証を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の研究目標は,パルス化配電ネットワークの実験システムの作成であった. この実験システムが当初の予定通りに完成し,さらにその展示により予期しない成果を得られた.この成果とは,(i) 日経BP社による技術系主要雑誌(日経エレクトロニクス,日経エネルギーNEXT)への紹介記事掲載,および (ii) 国際会議 IEEE GCCE2015 での受賞(Outstanding Demo! Award)である.反面,この実験システムを用いたパルス化配電ネットワークの特性評価の点では,大きな進展が見られなかったことから,選択区分と自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は次の3点を推進する. 1パルス化配電ネットワーク送電容量改善方法の検討;2015年度に検討した双方向キャンセル方式に加えて,電力パルス単位での送電強度の調整による実質的電力スロット数の増大方式などについて検討を行う. 2実験システムの改良とこれを用いたパルス化配電ネットワーク動作特性の解析;電力ルータを改良し双方向送電を可能とする,ネットワーク制御方法を本来の分散制御に近づける,など. 3送受電者間配電プロトコルの改善とその実験システムを用いた検証;実験システム内の各ノードの電力消費および売電の様子をシミュレートして送電実験を行うなど.
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Causes of Carryover |
今年度は,主としてパルス化配電ネットワーク実験システムの作成とその動作特性確認に予算を使用する計画であった.しかし実験システム制御系には既存のコンピュータを流用することができたこと.およびこの作成と展示の準備,展示に対して反応を持った企業への対応などに多くの時間を費やした結果,動作特性確認に十分な時間と予算を使用することができなかったことが,次年度使用額が生じた理由と考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では実験システムの改良にデバイスメーカと回路作成メーカの協力が必要であり,これに関する作業に多くの予算を要する見込みである.例えば発注回路の仕様作成にCADシステムの購入が必要であり,多数のデバイスと基盤発注に多くの予算が必要となる見込みである.
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