2014 Fiscal Year Research-status Report
高信頼性を有するIoTの実現に向けたセキュアアクセス制御方式に関する研究
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26420369
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
笹瀬 巌 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00187139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 健太郎 慶應義塾大学, 理工学研究科, 助教 (60723476)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RFID / 無線センサ・ネットワーク / セキュア / 森林火災 / 品物管理サービス / EH (Energy Harvesting) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, RFID (Radio Frequency IDentification),無線センサ・ネットワーク,およびスマートフォンの普及に伴う新しいサービス対して高効率かつセキュアな方式を検討し, 以下の成果を挙げた. 1. 広大な森林に無線センサ端末を配置し,森林火災の監視システムにおいて,火災発生を知らせるデータを優先的に送信する経路構築手法を提案し,計算機シミュレーションにより,高優先度パケットの損失率および到達時間を低減することを示した.さらに消火活動を行うアクタを用いた無線センサ・アクタネットワークにおいてアクタ間の経路切断時にセンサ端末を用いて高速に再経路構築を可能にする方式を提案し,従来方式と比較して経路構築時間を低減できることを計算機シミュレーションにより示した. 2. RFIDを用いた店舗内品物管理サービスにおいて,顧客が身につけているプライバシ保護RFIDタグが存在することを高速かつ決定的に検知する方式を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示した.さらにRFIDを用いた物管理システムにおいて,従来方式では想定されていなかった内部犯による盗難も検知可能な方式を提案し,その有効性を計算機シミュレーションにより示した. 3. EH (Energy Harvesting) センサ・ネットワークにおいて,従来提案されていた経路構築手法ではセンサ端末の計算的負担が大きいことを指摘し,より低演算量で従来と同等のパケット到着率を達成可能な方式を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示した.さらにEHを用いた橋梁モニタリングシステムにおいて,短いビーコン信号を用い,端末毎のスリープタイミングをずらすことで,従来方式と比較して高パケット到着率を達成する方式を提案し,その有効性を計算機シミュレーションにより示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画書に記載した研究内容に関しては,順調に成果をあげており,その成果は論文誌4編 (うち2編速報紙),国際会議11件 (うち1件招待講演),研究会6件 (うち1件招待講演の論文発表として報告を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の研究内容の概要とそれに伴う研究費の使用計画は以下の通りである. 1. RFIDを用いた物流管理システムにおいて,商品に負荷されたRFIDタグのプライバシを保護するためにEPC (Electric Product Code)を暗号化した上で配送を行うことが検討されている.本研究では,暗号化および復号を行う鍵をShamirの閾値分散法および偽タグを用いることで安全に配送する方式を検討し,その安全性を証明する. 2. 昨年度に引き続き,RFIDを用いた安全な物の紛失物管理の研究を行う.とりわけ今年度は提案方式をソフトウェア無線機器を用いて実装することで実アプリケーションとして実現可能かどうかを検討する.
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Causes of Carryover |
物品購入を行った結果、端数として822円が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金822円は、今年度の分と合わせて使用する。
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