2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420390
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇迫 仁 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70372761)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外観検査 / プラスチック部品 / 鏡面 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は光学系の選定として、カメラと照明系等の検討を行った。評価に先立って、実際のサンプル(以下、ワークと呼ぶ)を車の部品メーカから入手した。このワークはキズが付いた車体の一部を切り出したもので、色は白と黒の2種類で、これを評価に用いた。 カメラの評価では、500万画素のCMOSカメラと200万画素のCCDカメラを使用し、撮像結果ではCCDカメラが画質が良くこのカメラを用いることとした。ただし、評価に用いたCMOSカメラは型式が古く、近年はCMOSカメラの画質も向上しており今後も検討は継続する。 次に本方式の特長である照明系の評価を実施した。この照明は、ワーク表面が鏡面で人による検査では天井灯の鏡像を利用しており、同様な条件を構築した。最初に小型の細長い蛍光灯照明の鏡像がワーク表面のキズの近傍に映るように配置し、その状態を撮像してキズが見えることを確認し、本手法が有効であることを確認した。そこで、検査領域を広くとるために、蛍光灯を複数本並べた照明の代わりに、薄型ディスプレイ上で白黒の縞模様を表示させ、それを照明として用いた。この縞模様の明るさや幅、方向はプログラムで変更でき、最適のものを選んだ。最初に、照明、ワーク面、カメラのそれぞれの相対角度を決定した。ここではワークを挟んで照明とカメラを配置し、ワーク面に対して、照明とカメラが45度の角度が最もキズが見やすいことが分かった。次に縞模様の明るさ、幅、方向を決定した。明るさに関してはワークの色(白、黒)によって異なる明るさが最適であった。幅に関してはカメラの分解能を考慮して選定した。また、縞の方向に関してはキズが90度に交わるほうが見やすいことが分かり、縦縞、横縞のパターン照明の画像を併用することを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画は、光学系の選定であり、カメラ、照明系の検討が予定通り、実施することができた。これによって、ワーク表面のキズが識別できる画像を得ることができ、当初の予定を達成したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、前年度選定した光学条件を用いて撮像した画像からキズの有無を判定する画像処理アルゴリズムを検討する。検査領域を広くとるために、縞模様の照明をワークに映したが、キズを判定する画像処理においては、この縞模様が邪魔となるため、これを除去することを検討する。 最も単純な手法として、キズの無い正常ワークに照明を当てた画像を参照画像として、それとの差分を取る手法が考えられる。これによってキズ部分だけが抽出できるが、検査時のワークの位置が、参照画像を撮像した正常ワークの位置とずれが生じると、ワーク面に映りこんだ縞模様がずれて、それが差分として検出されることが懸念される。そのため参照画像を用いずに入力画像のみからキズを検出するアルゴリズムを検討する。例えば、縦方向の縞模様の場合、画像中では横方向に明暗差が生じている。一方、キズは、縞模様の方向と同じ、縦方向に明暗差が生じるため、縦方向の変化量のみ抽出するフィルタを検討する。そのほかにも、光学系に関しても実用性を考慮して検討を続ける。
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Causes of Carryover |
今年度の検討において、縞模様の照明パターンをワーク表面に映すことで、キズを抽出できることが確認できた。特に、縦縞、横縞やネガポジのパターンを変えて撮像した画像を併用することで検出性能が向上することも分かった。キズの有無を検出する目的においては、この画像で十分であると考えるが、実用性を考えると、撮像する画像が少ないほうが処理時間の短縮につながる。そこで、新たに、照明系としてカラーカメラと複合色照明を用いて、カラー画像からのキズ検出を検討する。そのための使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまで、カメラは白黒カメラであったが、高画素のカラーカメラの購入を検討する。また、照明についても、既存の照明メーカのLED照明だけでなく、LED素子の配列を工夫した照明装置の製作も検討する。
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