2014 Fiscal Year Research-status Report
磁気センサを用いた周波数探査による非破壊材質評価システムの構築
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26420391
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
槌田 雄二 大分大学, 工学部, 准教授 (80284785)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 材質評価 / 非破壊評価 / 磁気センサ / 計測システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、これまでX線分析装置、電子顕微鏡等、高額な分析機器を必要とする組織観察に頼っていた鉄鋼材の材質評価を、磁気センサを用いることによって、非破壊的に評価可能とする材質評価システムの構築を目的とする。具体的には、研究代表者らが考案してきた多重周波数励磁下の磁気特性を測定する「周波数掃引励磁スペクトログラム法」を中心として、これまで研究代表者らが研究成果を挙げてきた磁気センサを高感度化・複合化することによって、高額分析機器を必要とし、試料を破壊する必要があるミクロスコピックな組織観察に基づく材質評価を、非破壊的な計測システムにて実現する。 【平成26年度の研究計画・方法】 ①磁気センサの高感度化・複合化 ②①を導入した非破壊材質評価システムによる材質評価試験 これまで研究代表者が開発してきた計測システムをベースとして材機械強度変化を検出できる材質評価システムを構築する。構築する計測システムは周波数探査が可能な周波数掃引励磁スペクトログラム法を中心として、様々な磁気センサを使用できる汎用性あるシステムとする。僅少な材質変化を検出するには、まず、磁気センサの高感度・複合化が必要である。これまでと同様に独自に磁気センサを作製することによって高感度化を図っていく。初年度の早期に非破壊材質評価システムを構築し、異なる機械強度に起因する材質変化を検出するための評価試験を実施する。更に、材質評価試験とセンサ・計測システム改良のサイクルにより、随時システム高感度化を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、磁気特性は励磁周波数によって異なり、複数の周波数下における磁気特性変化は材質変化検出に対して有益な情報であること、つまり、複数周波数励磁下の磁気特性測定による周波数探査は材質評価に対して効果的であることが分かっている。今年度は、これまでに開発してきた周波数探査による材質評価システムを焼入れ鉄鋼材に適用し、磁気特性(B-Hループ)の内、最大磁界強度を用いることによって、これまで検出不可能であった材質変化を検出可能とした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討結果をベースとし、異なる機械強度に起因する材質変化を検出するための評価試験を実施する。更に、材質評価試験とセンサ・計測システム改良のサイクルにより、随時システム高感度化を図る。 今後は、初年度の測定データを実用的な材質評価へと結び付けていくのが目的である。そのためには、走査電子顕微鏡や振動試料型磁力計を用いた組織評価、引張試験・疲労試験による機械強度特性評価と初年度測定データとの相関を明らかにし、製作した非破壊材質評価システムの磁気的な測定結果が機械特性とどのように結び付いているのか明白にする。また、構築した非破壊材質評価システムは随時高感度化を図っていく。
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Causes of Carryover |
3月出張時に旅費の減額があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
僅少額であり、他の費目に組み入れて使用する。
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