2014 Fiscal Year Research-status Report
光波マイクロホンの高感度化と大気圧プラズマの放電音の空間分布計測への応用
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26420395
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中宮 俊幸 東海大学, 基盤工学部, 教授 (90155812)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ポーランド / スウェーデン / ブラジル / 高感度光波マイクロホン / 放電音 / 大気圧プラズマ / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
現有の光波マイクロホンの音検出感度は,検出する音の周波数によっても異なるが、-60~-70dBV程度で、コンデンサ・マイクロホンと比較すると感度は低い。光波マイクロホンの感度向上のために、ファブリペロー光共振器の応用を検討している。今年度は、ファブリペロー光共振器の安定度や感度を調べるために、光学レール上に構成したHe-Ne放電管を光源とする外部共振器型のレーザ装置を用意した。同装置の光共振器部分に外部から超音波や可聴音を加え、増幅度を調べた。 He-Ne放電管からの光は、音波による位相変調を受けて極微弱回折光を生じる。He-Ne放電管の両側に設けた2枚のHR/ARミラーに、垂直に入射するようにミラーの反射面を調整すると反射を繰り返し、増幅される。片側の透過率をやや大きくしてあるので、レーザ光の強度が大きくなると、透過率の大きなミラーから音信号を含んだレーザ光が射出される。そのレーザ光を、レーザ装置外に構成されたレンズシステムで、光フーリエ変換及びビーム径の調節を行った。光検出器にはPN接合フォトダイオードが用いられており、回折像強度が最大となる地点にフォトダイオードを固定した。ダイオードから得られた信号の直流成分を取り除いてオペアンプで増幅し、電気信号をオシロスコープ(Tektronix, DPO4104)で測定した。40kHzの超音波で、約30倍の増幅度を確認することができた。しかし、可聴周波数(4kHz)では、同程度の増幅度を確認することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように、光学レール上に構成したHe-Ne放電管を光源とする外部共振器型のレーザ装置を用意した。同装置の光共振器部分に外部から超音波や可聴音を加え、増幅度を調べた。その結果、40kHzの超音波で、約30倍の増幅度を確認することができた。レーザ発振を生じさせるには、放電管の両側に設置してあるミラーの反射面の角度を調節が重要であり、ファブリペロー光共振器で用いられているようなPZTなどでミラー間の距離を微調整する必要はなかった。このような装置構成は、長時間の安定した動作が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
位相情報を考慮した2次元音場の計測 2次元音場の強度分布の可視化の技術開発をさらに進め、音源からの位相情報を考慮したCT技術の開発を行う。予備実験として、放電電極の代わりに超音波振動子を2個、距離を離して設置し、発信器からそれぞれの超音波振動子に位相差のある正弦波信号を送り 、2次元音場の強度及び位相分布を求める。さらに、光増幅器で高感度化した光波マイクロフォンを使い、放電音の音場分布を計測する。
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Causes of Carryover |
本年度は、ファブリペロー光共振器製作を予定していたが、研究の進捗状況及び経費の有効利用について極力配慮をしながら研究を進めた結果、繰越額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では、「今後の研究の推進方策」で述べた事項を進めるために、光ファイバーや光共振器などの光学部品、及び研究成果を国内外で公表するための出張旅費を予定している。
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Research Products
(7 results)