2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420399
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
奥山 文雄 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (70134690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 英明 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (30234496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3D映像 / ホログラフィー / 調節 / 輻湊 / 調節輻湊の同時測定 / 両眼視差 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、3D映像の奥行き感と眼球の輻湊を正確に測定することで眼科的な生理学および視覚心理学観点から明らかにして、視聴時の影響や疲労を軽減して3D映像の品質を向上させることである。 (1)3D映像表示システムの構築 裸眼立体視のパララックス式多眼ハイビジョンテレビ55インチ(東芝 3D液晶テレビ REGZA 55X3)と時分割方式の2眼式立体視プラズマテレビ(パナソニック、VIERA TH-P46G3)を準備した。これらの装置で、最大の奥行き刺激20cmを想定した実験条件を実現する。瞳孔間距離63mmとして、1.6~2.0度の輻湊刺激を与えることができる。 (2)調節と輻湊の同時測定 調節と輻湊の同時測定は連帯協力者坂本雄児(北海道大学)の協力で、両眼開放型オートレフPowerRef 3 (Plusoptix社)を用いて、3D映像をログラフィーで呈示して測定することができた。実験条件を変更することで00diopterから00diopterの刺激を与え、調節と輻湊を同時に測定することができた。発表[]。精密な輻湊測定は、立体視度計測システムET-3D10(ニューオプト社)を利用して、被験者による実測で輻湊角約0.2度の輻湊を記録することで測定分解能を確認した。 (3)3D映像視聴時の調節と輻湊の同時測定 裸眼立体視3D液晶テレビ(東芝、REGZA 55X3)を利用して、調節と輻湊の同時測定は準備したが都合でできなかった。連帯協力者坂本雄児(北海道大学)の協力で、両眼開放型オートレフPowerRef 3 (Plusoptix社)を用いて、3D映像をホログラフィーで提示して、調節と輻湊の同時測定することができた。以上のように、おおむね実験は成功したが、原因不明の現象があったので今後、原因を追及して自然視と比較したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、次の2つを目標とした。 (1)3D映像観察時の人眼の水平方法の輻湊を正確に測定して輻湊角、画像の品質(大きさ、解像度、)などパラメータにして解析する計画であり、今年度は測定装置の性能と測定方法の確立を目指した。5名の被験者を利用して微小輻湊刺激(0.5度)や3D映像視聴時の輻湊測定は通常の視環境で可能であり、測定の成功率も高いことがわかった。しかし、3D映像の輻湊刺激の変化と輻湊の同時測定を試みたが、市販のハイビジョン3D映像にはプロテクがあり、3Dアシストボックス(LT 7030A、リーダー電子)では輻湊刺激が観測できないことが判明してできなかった。そこで、市販の3Dカメラを利用して実験用3D映像を作成することに計画を変更した。 (2)3D映像視聴時の調節輻湊の同時測定を目指した。両眼開放型オートレフPowerRef 3 (Plusoptix社)を用いて3D映像にホログラフィーを利用して測定できることが実証されたが、実際の輻湊の測定精度が予測された値とは違い、十分でないことがわかった。また、両眼オートレフレフラクトメータWAN-5500を利用することも計画したが、光学系の構造で高い測定精度が得られないことがわかったので断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 人眼の3D映像観察時の輻湊の精密測定は、立体視度計測システムET-3D10 (ニューオプト)を利用した平成26年度の予備実験で十分に可能であり、測定に環境照度、測定赤外光の影響がなく、多くの被験者で測定できることがわかったので、今後もこの装置を利用して実験を進める。 調節と輻湊の同時測定は両眼開放型オートレフPoweRef3による方法を試みたが輻湊測定精度が両眼視差と比べ十分でなく、測定が難しいことが判明した。また、両眼開放オートレフラクトメータによる輻湊測定精度は立体映像の両眼視差と比べ十分ではない。そこで、今後は調節と輻湊の同時測定は本研究の主目的ではないので、実験から外すことにした。今後は、3D映像観察時の輻湊測定と両眼視差刺激分析および視差と輻湊の関係回目に重点をおく。また、市販の3D映像にはプロテクトが掛けられて、両眼視差分析ができないので、実験3D映像は市販のHD3D映像ではなく、自作する。 (次年度使用額が生じた理由と使用計画) 実験のため購入を計画した3D立体テレビ55X3(東芝)は平成25年度内に購入、3D視差自動測定システムFS3090本体(リーダー電子)も改良型が安価になり平成25年度に購入していた。そこで、予算の利用を分析用のPCや測定精度チェック用の機器に変更したので予算があまり、次年度に繰り越すことになった。
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Causes of Carryover |
実験のため購入を計画した3D立体テレビ55X3(東芝)は平成25年度内に購入、3D視差自動測定システムFS3090本体(リーダー電子)も改良型が安価になり平成25年度に購入していた。そこで、予算の利用を分析用のPCや測定精度チェック用の機器に変更したので予算があまり、次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越して、使用する。
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