2015 Fiscal Year Research-status Report
近赤外分光法による脳機能計測における皮膚血流の分離と時系列信号のパターン解析
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26420403
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
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Principal Investigator |
福田 恵子 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (70396266)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 近赤外分光法 / 脳機能計測 / 脳血流 / 皮膚血流 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、近赤外光分光法（NIRS：near infrared spectroscopy）による脳機能計測において、計測信号の時間的な変動を考慮した信号パターン分類する手法を確立することで、脳機能由来の信号と血液量変化や外乱を分離し、脳機能由来の信号の発生メカニズムを解明することである。さらに、信号パターン分類する手法を基にチャネル間の計測信号の関連性を解析することで脳の局在性の解析を容易にし、目視による判読に頼らない自動的な信号パターンの判断基準を設けることである。これにより、計測者による個人誤差を低減し、NIRSの信頼性を高めて活用範囲を広げることである。
平成27年度は信号パターンの解析方法の確立とマルチチャネルシステムにおける脳機能の局在性の解析に向けて解析方法の検討と計測実験を行った。
研究内容は以下のとおりである。
(1) 平成26年度に提案した時間相関係数を用いた解析方法に関して、脳反応のパターンの検知技術を視覚的にわかりやすくするために、表示手法の確立を行った。脳反応のパターンの検知には提案した3種類の相互相関係数を用いる。16チャネルの測定結果に関して相互相関係数を強度分布として表示することにより、チャネル間の信号の関連性をより顕著に示すことができるようになった。
(2) 前頭計測用の16チャネルNIRSを用いた計測実験に関する実験を行った。平成27年度は計測課題のデザインに、ブロックデザインを採用した。これは課題ブロックと課題に直接関連しないブロックを設けてブロック加算平均を行うことにより、反応の明瞭化を図るものである。記憶ブロックと非記憶ブロックを設定した短期記憶課題を作成して計測実験を行い、（1）記載の解析・表示方法を適用した。記憶ブロックと非記憶ブロックでは脳反応のパターンが異なり、非記憶ブロックでは相互相関が低くなる傾向が示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析・表示手法に関しては、ソフトウエアの作成や実験課題の工夫を行い、計測に対する有用性を示しつつある。外乱補正手段を持つ装置による計測は、生体信号取得に関しては進展したが、補正手段の検証については生体での検証にやや時間がかかっている。これは、外乱補正手段を持つ装置の安定性の確保とソフトウエアの改良に時間がかかったためである。前頭計測用の１６チャネルNIRSによる計測データから反応部位をあらかじめ推定して、効率的な計測実験及び評価を行うように工夫する。
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| Strategy for Future Research Activity |
解析手法を検証する上では、実験課題の適性の評価も重要となってくる。短期記憶課題に関しては難易度の調整、正答率などの脳反応に影響を与える要因を評価したうえで、被験者数を増やして解析手法の検証を行う。また、表示手法に関しては、脳機能の時間的な変化の解析を目指して動画表示を含めたソフトウエアの改良を行い、信号パターン分類を行う。さらに、外乱補正手段を持つ装置での計測データと照合して脳機能由来の信号と血液量変化や外乱との分離を目指す。
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| Causes of Carryover |
国際学会への参加を国内学会へ変更したこと、外乱補正手段を持つ装置の実験の実施に遅延が生じたため、次年度使用額に差が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析・表示手法の性能を高めるために、コンピュータと信号処理のソフトウエアを購入する。脳機能計測にあたり、外乱補正手段を持つ装置の改良のための半導体レーザ、受光素子などの光学素子や電子回路部品などの実験用消耗品を購入する。また、本研究により得られるNIRSの精度向上の効果を学会にて発表を行うための参加費や旅費及び論文の投稿料、英文書校正代などに使用する。
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Research Products
(4 results)
