2015 Fiscal Year Research-status Report
レーダの三角配置を用いた下層大気圏下における降雪現象測定システムの構築
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26420404
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
椎名 徹 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (80196344)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小型垂直レーダ / 降雪現象 / 降雪粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の課題として,レーダアンテナ面の積雪と除去が問題であった.そこで,ヒーター付アンテナ1台の導入を新たに行い,降雪現象の時空間測定システムの構築および種々の環境下での冬季期間の観測・測定評価を行った.主な研究実績は下記の2つである. (1) 降雪粒子の雪質および形状解析および降雨粒子の同時測定. 可視カメラにて三角地帯内の地上付近を落下する降雪粒子の雪質および内部構造を測定した.また,降雨粒子センサーと連携し,降水粒子の分類を試みた.更に,粒子形状と落下速度分布から降雪強度およびレーダ反射因子を算出した. (2) 落下中の降水粒子(降雪および降雨粒子)によるレーダ反射因子の解析. 三角地帯内における降水粒子による電磁波エコーと降雪粒子および降雨粒子情報との相関解析を行い,レーダ情報のみを利用した降雪強度および雪質測定を試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
降雪現象の高分解能時空間測定システムの開発を継続し,同一仕様の小型垂直レーダ3台を三角配置して,地上付近から高度1050mまでの鉛直方向降雪分布を連続的に測定した.なお,レーダアンテナ面の積雪が測定値に影響を与え,積雪の除去に苦慮していた.そこで,ヒーター付アンテナの導入を新たに行い,良好な効果が得られた.また,レーザ光による雲底高度計を用いて下層大気圏下における降雪に寄与する雲情報取得,降水粒子センサーによる地上付近を落下する降水粒子種類の同時観測を行った.これらのデータ処理および解析は継続して行う必要があるが,概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの問題点を夏季期間中に解決し,降雪現象の時空間測定システムの構築および種々の環境下での冬季期間の観測・測定評価に反映する.研究実績の概要の(1)および(2)のシステムを利用して同期測定を行い,降雪統合データベースを構築する.雲および全降水粒子(降雪および降雨粒子)を含めた水循環モデルとして,下層大気圏下における降雪現象測定システムの構築を行い,評価・改良を行う.また,気象レーダの水平・垂直面分布と本研究結果を比較し,下層大気圏下の降雪現象測定システム運用等についてシステム全体を評価する.最後に,得られた結果を取りまとめ,成果発表および所属機関のWeb等にて降雪現象の測定結果を情報公開する.
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Causes of Carryover |
本研究で使用する小型垂直レーダのアンテナ面は積雪しやすく,除雪が必要である.そこで,新たに導入したヒーター付きアンテナの購入により差が生じたためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時空間解析サーバー開発の一部として利用する予定である.
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