2014 Fiscal Year Research-status Report
可変張力つき2変数スプラインの導出とその画像補間への応用
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26420409
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鎌田 賢 茨城大学, 工学部, 教授 (70204609)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 画像補間 / スプライン |
Outline of Annual Research Achievements |
準備として、張力が無い場合の2変数3次スプライン補間を解とするような変分問題を定式化した。その一般解は従来の2変数3次スプライン関数に積分定数に関わる任意項を加えたものになるが、その項として3次多項式を選ぶこととした。この定式化を拡張して、標本化領域ごとに異なる張力をもつ2変数可変張力スプライン補間を変分問題として定式化した。以上の内容をThe 5th International Conference on Computational Harmonic Analysisで発表した。 この変分問題の解を定めるEuler-Lagrange微分方程式は、張力をパラメータとして持ち、標本点におけるデルタ関数の線形結合を含む形となった。この方程式を (1)各標本化領域の内側 と (2)標本化領域の境界 に分けて解いた。各標本化領域の内側では同次微分法適式に帰着されるため、一般的な線形微分方程式として解けた。解に含まれる係数と同値になるような状態空間ベクトルを選び、係数ベクトルと状態ベクトルとの対応関係を行列で表した。これによって、同じ標本化領域の内側の任意の2点での状態遷移を計算することが可能になった。標本化領域の境界における状態遷移を分析した結果、状態変数のうちの3階微分に対して、張力の変化量とデルタ関数の係数を加えればよいことが明らかになった。以上で、可変張力2変数スプラインの値を計算するための数式が導かれ、その内容をまとめた論文は、The 11th International Conference on Sampling Theory and Applicationsでの発表(2015年5月)に採択された。 可変張力2変数スプラインを効率的に数値計算するために必要な、有限領域外では恒常的に0となるBスプライン関数を構成するための方程式が得られた。それを解く問題が残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数学的な問題定式化と数学的な解は得られた。数値計算のために必要なBスプライン関数を具体的に構成するための線形方程式を解く問題が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
Bスプライン関数を定めるための線形方程式は得られているので、それを解く数値計算プログラムの開発とそれを画像補間に応用するプログラムの開発を並行して進める。
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Causes of Carryover |
数学的な結果は得られたが、数値計算プログラムの作成まで及ばなかったため、研究補助の人件費が支出できなかった。数値計算プログラムによる処理結果が未だ得られていないため、広報ウェブサイト制作を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数値計算プログラムの作成に研究補助の人件費を支出する。それで得られる処理結果を広報するウェブサイト制作を行う。
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Research Products
(2 results)