2015 Fiscal Year Research-status Report
分散型大規模システムの最適運用と社会基盤システムへの展開
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26420411
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
平田 研二 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40314364)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分散システム / 最適運用 / 価格提示 / 電圧制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の分散型エネルギー需要・供給ネットワークにおける供給家, 需要家を自身の利得確保を追求するエージェントと捉える. また, 社会としての公共の利得確保を目指す独立した行政機関に対応するユーティリーを想定する. 本申請研究では, ユーティリティーによる価格 (税金/補助金) の提示とエージェントの分散意思決定の相互作用により, エネルギー需要・供給ネットワークの最適な運転状態への誘導を可能とする. 次世代のエネルギー需要・供給ネットワークで大量に導入される小型発電機や蓄電池などの速い動特性を鑑み, とくに, 標準的なデマンドレスポンスやリアルタイムプライシングと言った枠組みでは注目されない, エージェントの動特性を考慮した運転状態の誘導を可能とする. 個々のエージェントが利己的に自身の振る舞いを決定する中で, これらの分散意思決定を束ね, 公共の利得確保を保証するためのユーティリティーによる価格提示方策を提案した. とくに, エネルギーの需要・供給のバランスを規定する等式制約を考慮し, この制約を達成する価格提示方策を提案することができている. 提案する価格提示方策を最適な発電量配分の実現問題, 太陽光発電用インバータの負荷分散問題, 車載蓄電池の充電量決定問題にそれぞれ適用し, 実用性検証のための応用研究を開始することができている. また太陽光発電により生じる電圧変動抑制の実証実験についても着手することができている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々のエージェントが利己的に自身の振る舞いを決定する中で, これらの分散意思決定を束ね, 公共の利得確保を保証するためのユーティリティーによる価格提示方策を提案した. とくに, エネルギーの需要・供給のバランスを規定する等式制約を考慮し, この制約を達成する価格提示方策を提案することができている. また, 提案する価格提示方策と各エージェントの分散意思決定により運用される閉ループ系の安定性を考察することができている. 提案する価格提示方策を最適な発電量配分の実現問題へと適用し, その有効性を確認することができている. ここでは, 標準的なベンチマーク問題であるNew England 39 バステストシステムを対象に, 負荷要求にバランスする各発電機の最適な発電量への誘導を検討できている. 各家庭に太陽光発電装置が導入された配電系統を想定した問題では, 逆潮流により発生する電圧上昇の抑制を価格提示と分散最適化による運用で実現可能であることが確認できている. また, メガソーラ発電システムを想定した問題では, 系統連係点での電圧上昇が提案手法により抑制可能であることが確認できると共に, 実機実験での有効性検証を開始することができている. EV/PHEV を備えた家庭群から構成されるコミュティーを想定し, 提案する価格提示と分散最適化による運用により, 需要・供給バランスの実現を達成する運用方策の検討が開始できている. 家庭群が増加した場合の挙動の理解など, 実用化へ向けた検討を今後進める必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
次世代エネルギー需要・供給ネットワークに代表される大規模な分散システムを, 価格提示により最適な運転状態に誘導することが可能であることを明らかにしている. しかしながら, エネルギー需要・供給ネットワークに関連する問題では, 需給バランスを表現する等式制約に加え, 流入, 流出するエネルギーの大きさを規定する大域的な不等式制約の成立が, 実用において重要となる. そこで大域的な等式制約に加え, 大域的な不等式制約を満たした運転状態への誘導を可能とする, 新たな価格提示方策を提案する. また提案する新たな価格提示方策を最適な発電量配分の実現, 太陽光発電用インバータの負荷分散の問題, EV/PHEV の充電管理方策に適用し, より実用性の高い分散管理システムの実現を目指す. さらに実機実験による実用性の検証についても, 積極的に取り組んでいく.
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Research Products
(10 results)