2015 Fiscal Year Research-status Report
家庭用エネルギー管理システムのための最適制御技術の開発
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26420420
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
若佐 裕治 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60263620)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エネルギーマネジメント / 最適化 / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再生可能エネルギーによる電力供給の不安定性を家庭用エネルギー管理システムで補償するための最適化技術と制御技術の開発を行う。とくに、稼働するまでに時間的猶予がある電気製品に注目し、その時間的自由度を有効活用する最適制御法を検討する。
本年度は、まず電気製品の稼働スケジューリング問題の解法として、モデル予測制御型のアルゴリズムを導入した。これによって、先行研究では考慮されていなかった、一旦スケジューリングが完了した後でも稼働リクエストの変更に対応できる枠組みを提案した。その結果を国際会議SICE Annual Conference 2015他、国内会議において発表した。また、昨年度に引き続き、各家庭の情報を計算センターに集約するのではなく、各家庭がもつ分散的な計算環境を有効に利用した分散型最適化アルゴリズムを検討した。最適化問題の分散型解法に有効な平均合意アルゴリズムと大域的最適化手法である粒子群最適化を組み合わせ、その収束性などの基本的性質を調べた。この成果を54th IEEE Conference on Decision and Control他、国内会議において発表した。さらに、分散型粒子群最適化に基づく電気製品スケジューリング問題の解法について検討し、第3回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウムにおいて発表した。その他、最適化手法に関連して、主双対分解構造に基づく粒子群最適化やFirefly Algorithm (FA)、また、制御方法に関連して、非線形性を考慮したFictitious Reference Iteravie Tuning (FRIT)などの検討を行い、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、家庭用エネルギー管理システムにおける最適制御技術の開発に向けて、その方法論についてさまざまな観点から検討した。それらの成果を国際学会、国内学会で発表するとともに、雑誌論文の掲載も決定しており、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果に基づいて、より柔軟な表現能力のある電力需給最適化問題の定式化、および非凸最適化問題を扱える分散型最適化手法の開発をさらに推進する。また、HEMS関連ソフトウェアとMATLABを連携させたソフトウェアの開発を検討する。
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Causes of Carryover |
一部ソフトウェアの購入を保留したことや、当初計画していた論文掲載が次年度になったことなどにより未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議発表、雑誌論文発表などの成果発表を行うために使用する予定である。また、計算機やシミュレーション用ソフトウェアの購入も適宜行う予定である。
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