2015 Fiscal Year Research-status Report
数値最適化に基づくテーブルルックアップ型切換制御系設計に関する研究
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26420429
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
市原 裕之 明治大学, 理工学部, 准教授 (70312072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 賢治 電気通信大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80550946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数値最適化 / 量子化器 / 二乗和 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,量子化要素を非線形要素として,制御対象を多項式非線形システムに拡張し,数値最適化を用いて最適な動的量子化器を解析する方法を提案した.量子化器を除いた制御対象を線形システムから非線形システムに拡張した場合,非線形システムの入出状態安定性を確保した上で解析条件を適用すればよいことが明らかとなった.これは設計条件の定式化において,量子化誤差を有界な外乱とみなしているためである.線形システムにおいては,漸近安定性と入力状態安定性は変わらないが,非線形システムでは必ずしもそのようなことはない.ただし,実際に数値計算を行うための手順をより整理していく必要がある.また,最適化計算における計算量や計算時間を減らすために,従来の二乗和最適化に準じて優対角二乗和を導入する準備を行った.二乗和が半正定値計画問題を解く必要があるのに対して,優対角二乗和は線形計画問題や二次錘計画問題を解けばよいために,計算時間を低減できるとともに大規模な問題にも対応できる可能性がある.本年度はオンライン最適化に制御の可能性を探るため,モデル予測制御問題に適用した.その結果,制御性能はやや劣るものの計算量を減らすことができる可能性があることが明らかとなった.さらに,状態変数がつねに正となる性質をもつ非線形システムに対して,共正値計画問題を応用した解析手法を提案した.共正値行列は切替制御においてリアプノフ関数の構成に応用されることもあり,本研究課題の切替制御にも応用できる可能性がある.研究の結果,共正値計画に現れる二次形式を同次多項式に拡張することが可能で,状態変数がつねに正となるシステムの安定性の解析の見通しが立った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
離散時間の多項式非線形システムに対する量子化器の解析において,適切な解析手順の構成に手間取っている.局所的に安定な離散時間システムに対して小さな吸収領域を見つけることは容易であるが,その一方で,量子化誤差に相当する有界外乱に対する不変集合については大きな集合を見つけることの方が容易である.この2つの要素が矛盾し,与えらえたシステムと量子化幅に対して静的あるいは動的量子化器の性能を評価することが難しい場合がある.
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Strategy for Future Research Activity |
離散時間の多項式非線形システムに対する量子化器の解析において,適切な解析手順の構成を整理する.まず,大域的に安定な離散時間多項式システムに対して,信頼度の高い解析手順を整理する.次に,局所的に安定な離散時間多項式システムに対して,量子化器を評価するための条件を用いて,吸収領域を最大化する.その後,提案している解析条件を用いて,量子化器の性能を評価する.設計問題についても検討する.
以降は,他の非線形要素についても考察を進める.ヒステリス特性は線形分数変換で表現することが可能であり,数値最適化を適用できるかどうかについて検討を進めていく.
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Research Products
(17 results)