2014 Fiscal Year Research-status Report
フライアッシュを細骨材に一部置換したコンクリートの耐久性向上と疲労特性の解明
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26420447
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
横井 克則 高知工業高等専門学校, 環境都市デザイン工学科, 准教授 (80240183)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 細骨材補充材 / 空気量 / 耐久性 / 凍結融解試験 / 促進中性化試験 / 長さ変化試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
石炭火力発電所から副産される石炭灰(フライアッシュ)の発生量は、電力以外も含めると平成24年度で1,200万トンを超え、今後も増加傾向にあると言われている。また、フライアッシュ(以下,FA)の有効利用はセメント原料としての利用が全体の7割を占めており、他分野への有効利用が求められている。一方では、四国内において環境保護の観点から海砂の採取規制が行われるなど骨材資源の確保が急務となっている。このため、FAを細骨材補充材として使用する研究が進められている。FAを細骨材置換したコンクリートは長期強度が増進し、乾燥収縮が抑制されるなどの長所がある一方で、FA中の未燃カーボンがAE剤を吸着する性質を持っており、空気量の確保が困難になるため空気量に依存する耐凍害性などの耐久性の発現に影響が出ることが考えられるが、詳細は明らかにされていない。 そこで本研究ではFAを細骨材置換したコンクリートにおいて、空気量が十分に確保できないことを想定し、空気量を減少させたコンクリートを作製し、強度及び耐久性に与える影響を調査することとした。FAはFAⅡ種及びFAⅣ種を細骨材置換率10%で使用し、FAの種類による影響を検討した。また、セメントは普通セメント及び土木工事で主に使用される高炉セメントB種を使用し、セメントの種類による影響を検討した。 その結果、次のような成果が得られた。(1)空気量を小さく設定した場合、強度はFAを使用した配合、特にFAⅡ種を使用した配合で向上した。(2)耐久性はFAを使用することで長さ変化、耐凍害性が向上した。また、高炉セメントを使用することで中性化が進行したが、耐凍害性は普通セメントの配合より向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書において、平成26年度は「細骨材置換したフライアッシュコンクリートの凍結融解抵抵抗性の解明」、平成27年度以降は「フライアッシュコンクリートの収縮低減効果と疲労特性の解明」と記した。 今年度の研究成果により、フライアッシュを細骨材置換として使用することでコンクリート中の空気量が減少しても、同じ空気量の普通コンクリートよりはコンクリートの耐凍害性が確保できるといった結果を確認することができた。 また、平成27年度以降に実施予定である疲労強度試験用の試験体の製造も一部で完了していることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は申請書で記したとおり、フライアッシュコンクリートの収縮低減効果と疲労特性の解明の検討を行う。収縮低減効果を確認するために、収縮が大きくなりやすい骨材も入手済みであり、現在、配合設計と試験練りを実施しているところである。 また、最終年度に取り組む予定であった疲労特性の解明についても、疲労試験は相当な時間を要することから、今年度から先駆けて試験を開始する予定としている。 研究計画の変更は現在のところ予定はない。
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Research Products
(6 results)