2015 Fiscal Year Research-status Report
フライアッシュを細骨材に一部置換したコンクリートの耐久性向上と疲労特性の解明
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26420447
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
横井 克則 高知工業高等専門学校, 環境都市デザイン工学科, 教授 (80240183)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 耐久性改善 / 強度向上 / 耐凍害性改善 / 疲労強度確認 |
Outline of Annual Research Achievements |
石炭火力発電の積極活用に伴って今後ますます発生量が増大すると予測されているフライアッシュの大量消費を目的に、フライアッシュをセメント置換ではなく、混入量が多くなる細骨材の一部として利用する研究を継続して実施している。フライアッシュを細骨材置換すると、粉体量が増えることでコンクリートの空気量確保が困難であったり、モルタルの粘性が大きくなる。しかし、これらのことが凍結融解抵抗性や中性化、乾燥収縮といった耐久性に及ぼす影響については明確になっていない。さらに、このコンクリートの利用拡大を視野に入れると、橋梁床版や海洋構造物として利用されるためには疲労特性の解明が必要である。以上の点について、本校現有の試験装置を駆使して研究を遂行するものである。 今年度は、現在四国内で問題となっている砕石コンクリートの乾燥収縮が大きくなりやすくなる点について、フライアッシュコンクリートを用いることによる低減効果についての検討を行った。その結果、現在のところ、フライアッシュを利用することによる明確な効果は確認できていない。 次に、フライアッシュコンクリートの疲労特性について検討した。空気中及び水中環境における疲労強度試験を実施することにより、S-N曲線を求め、フライアッシュコンクリートの設計疲労強度式を算定しようとするものである。疲労試験は多くの時間を有するため、現在も試験を継続しているが、普通コンクリートとほぼ同じ疲労特性を有していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的である耐久性向上と疲労特性の解明について、それぞれの実験は推進できているが、フライアッシュを多量使用する細骨材置換の影響や効果について解明する点で苦慮している。その理由として、実験結果のバラツキが大きいことにある。フライアッシュを混和材として少量をセメント置換で利用する場合に比べて、細骨材置換として多量利用する場合は、コンクリートのフレッシュ性質(スランプや空気量)の管理が想像以上に難しく、混和剤等で調整をしても、フレッシュ性能のバラツキが硬化コンクリートの性質にも影響を与えているものを考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでに作製している試験体を用いて、継続して疲労特性のデータ蓄積のために疲労強度試験を実施する。 耐久性については、これまでフライアッシュはJIS灰(Ⅱ種とⅣ種)を使用してきたが、比較のために非JIS灰を使用したコンクリートで試験体を作製できており、これまでと同様に強度試験、各種耐久性試験を実施する予定である。 今年度は最終年度であるため、試験終了後は本課題について得られた成果について考察を行いまとめる。
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Causes of Carryover |
予定していた回数の研究発表や情報収集の出張が行えなかったため、予定していた投稿費や旅費に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額については、本研究課題に関する実験中、使用していたエアメータが故障しこのままでは研究にも影響する。本試験器は老朽化もあり修理の効果は小さいと考えられ、この差額を新規購入用としての予算に充てる。
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Research Products
(3 results)