2015 Fiscal Year Research-status Report
電気エネルギーを用いたコンクリートの制御破砕工法の確立
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26420448
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
村山 浩一 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 准教授 (30290836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細線放電 / コンクリート / 破砕 / 亀裂制御 / カートリッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,電気エネルギーと金属細線を用いたコンクリート破砕工法について,その破砕量や破砕方向を制御する技術の確立を目的としている.単純に破砕だけを目的とした工法については,すでに火薬を用いた工法が確立されており多くの現場で利用されているが,法的な規制があることから別の破砕手段として電気エネルギーと金属細線を用いた工法を基に,その破砕量や亀裂方向を制御する工法について研究を実施している. 平成27年度においては,当初はその破砕のメカニズムについて高速度カメラを用いて調べる予定としていたが,平成26年度の研究を進める過程において新たなカートリッジ式破砕工法を発案したため,急遽その実証実験をおこなう内容に変更した.具体的にはこれまでよりもスケールアップした破砕対象物に対して亀裂制御をおこなうために,穴を穿孔し,その穴に前年度の実験で亀裂制御が可能という結果が得られている楔形状の空洞を有したカートリッジを装填して一体化し,カートリッジを破砕する際に生じる亀裂を破砕対象物に伝えることで,対象物の破砕をおこなうというものである. 研究の成果として,このカートリッジ式破砕工法においては破砕対象物とカートリッジの一体化が重要で,その方法について課題を残すものの,亀裂制御をおこなうことは可能であるという結果を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は高速度カメラによる破壊進展のメカニズムについて観測する予定としていたが,今後の実用化を見据えた場合は今回の研究の方が優先度が高いと判断し急遽予定を変更したこと,およびこれまで使用してきた破砕対象物となる試験片と比較して直径,高さ共に2倍のΦ100mm,高さ200mmにスケールアップしたことにより,現有の機材による電気エネルギーを使った破砕方式では破砕力が不足することが判明し,その解決に時間が掛かってしまったことにより,やや研究に遅れが生じてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に予定していた複数箇所で細線放電を発生させ,そのタイミングを調整することで意図した亀裂制御をおこなう手法については,予備的な実験でそのタイミングの調整が現状では難しいことが分かった.そのため予定を変更して,平成27年度の研究で結果が得られたカートリッジ式破砕工法における亀裂制御についての実験を進めると同時に,前年度実施できなかった高速度カメラでの破壊進展の観測,および新たに購入した圧力センサーでの衝撃波の位置的分布の計測をおこなうことで,破砕進展の物理的メカニズムについて調べる予定である.
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Causes of Carryover |
端数の部分で予算が赤字にならないよう,多少の余裕を持って使用したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入に使用予定.
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Research Products
(2 results)