2016 Fiscal Year Annual Research Report
Soil-pile-structure interaction under nonlinearity in soil and developement of method for dynamic response of structural systems
Project/Area Number |
26420454
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
齊藤 正人 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40334156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インピーダンス / 動的相互作用 / 同時載荷 / シミュレーション / 杭基礎 / 非線形性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度までの比較検証結果を踏まえ、地盤変形と慣性力を同時載荷した場合のインピーダンス特性を実験的に検証した。実験の結果、1次卓越振動数近傍では基盤入力を与えた場合、インピーダンスの剛性項が低下することが判明した。またその度合いは、入力レベルの増加に伴い増加することが明らかとなった。一方、表層地盤が卓越する2次卓越振動数近傍では、基盤入力を与えた場合、インピーダンスの剛性項が増加する傾向が表れた。この特性は平成26年度、平成27年度の比較検証結果の妥当性を裏付ける結果であり、大変興味深い。つまり、同時載荷により、1次卓越振動数近傍では剛性低下による卓越振動数の低下が顕著になる。そのため、独立して実験から求めたインピーダンス特性をシミュレーションで用いた場合には、実際の卓越振動数を高めに評価することになる。一方、2次卓越振動数では同時載荷により剛性増加が生じ、これにより卓越振動数が高くなる。そのため、独立して求めたインピーダンス特性をシミュレーションで用いた場合、実際の卓越振動数を過小評価する結果となる。以上のことから、3年間を通じて比較検証したシミュレーション解析と実験との比較に明確な説明根拠を得るに至った。このことは、本シミュレーション技術に基づく応答予測を行う際、通常、独立した動的相互作用であるKinematic相互作用とInertial相互作用には、地盤や境界部の非線形性を介して連成作用があり、これを適切に考慮する必要があることが明らかとなった。平成28年度に実施した実験は制御方法を含め困難を極めたものであったが、学術的に大変新しく、また強震時における応答予測において今後有用な知見である。これらの研究成果については、国際論文誌に2編の論文を投稿予定である。
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