2014 Fiscal Year Research-status Report
多様な先験情報の逆解析統合フレームワークを適用した腐食モニタリング手法の開発
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26420455
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
天谷 賢治 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70251642)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 維持管理工学 / 逆問題 / 数値解析 / 腐食モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では少ない数の電位計測から海中の構造物表面の腐食電流を数値逆解析によりモニタリングする手法を開発する.問題の悪条件性の克服には手元にある多様な先験情報をいかに適切化に有効に統合して活用するかが鍵となる.本研究では以下の4点の着眼点に基づいた新しい逆解析のフレームワークを提案する1) 構造物の幾何的情報が欠如している場合には仮想境界条件を適用する2) 経験や勘に基づくあいまいな情報をファジー数および隠れ変数で表現し定量的に扱う3) 多様な先験情報を統一的に統合するためにベイズ推定を適用する4) 対象構造物に電流を印加する能動的計測により情報を補うさらに、実際の海洋構造物を用いた検証実験を実施し開発した手法の有効性を確かめる. 平成26 年度は、仮想境界条件を解析に組み込むことのできる境界要素法解析手法を構築し、プログラミングをおこない数値シミュレーションで検証を実施した。 また、実際の検証実験で用いる電位測定装置がほぼ完成した。
すなわち複数の海洋構造物どうしの相互干渉による腐食の進行速度を定量的に推定する解析システムを開発した.解析目的は、注目する構造物の電流密度分布を推定することである.電流密度を推定するために、解析領域を海水領域とし電場解析をする.解析領域の電位分布がラプラス方程式を満たすと仮定する.通常の境界要素法の定式化を用い、支配方程式、境界条件より連立方程式を得る.得られた方程式は未知数の数が方程式の数を上回るので単独では解くことができない.そのため、領域内部の数箇所での電位の測定値から得られる式を用い、逆問題を設定した。 つぎに不確実な形状情報を仮想境界で取り扱う本研究では、構造物の形状情報が不完全であるという問題点を解決するために、仮想境界を設定し解析をする手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
問題設定を早い段階で明確にし、ソフトウエアの構築がスムーズに行えたため計画通りに研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27 年度は、あいまいな先験情報をファジー数で取り扱う手法をシステムに取り込む.さらに実際の海洋構造物を対象とした実証実験のために必要な電位測定システムを開発する. あいまいな先験情報をファジー数で取り扱う解析に用いる電気伝導度や境界条件などの情報には、正確な情報が得られる場合、不正確な情報が得られる場合、全く情報が得られない場合など様々なレベルがある.正確な情報が得られる場合は確定値として表現でき、解析に利用できるが、あいまいな情報は従来の方法ではそのまま扱うことができない.本研究ではファジー集合を用いることで、多様な情報を有する腐食問題を統一的に表現する.
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Causes of Carryover |
本研究には高性能数値計算コンピュータを必要とし、初年度に購入を計画していた。27年度初頭にハイスペックの新製品が市場に売り出されるため26年度の購入を見送り、より高性能のコンピュータを27年度に購入することに計画を変更した。なお27年度の研究計画においてはソフト構築を上げていたがソフトウエア開発においては大規模計算を実施する必要がないため研究室に既設のコンピュータを用いた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度においては前年度に購入を見送った高性能数値計算コンピュータを速やかに購入する。それ以外の研究費の使用計画においては変更はない。
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Research Products
(1 results)