2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of Pore Structure on the Thermal Diffusivity of Rock-Water System under Freezing Process
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26420477
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| Research Institution | Iwate University |
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Principal Investigator |
鴨志田 直人 岩手大学, 理工学部, 助教 (00400177)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 凍結岩石 / 岩石－間隙水系 / 熱拡散率 / 力学物性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
低温液化燃料の岩盤内貯蔵方式の設計や積雪寒冷地における岩盤斜面の長期安定性評価など，岩盤の熱伝導解析では水や氷が内在する岩盤の熱拡散率を把握する必要がある。本研究の目的は，凍結過程における飽和岩石の熱拡散率に及ぼす間隙のサイズ形状の影響を明らかにすることである。
本研究課題は間隙構造の異なる岩石を供試体とし，(1)凍結過程における熱拡散率の測定，(2)間隙構造の観察，(3)凍結過程における強度の測定，(4)2粒子分散型複合材料と仮定する熱拡散率推定式の導出，の4項目から成る。平成28年度は下記を実施した。
(1)に関して，間隙率1%未満の花崗岩の凍結過程（0～-100℃）における熱拡散率を測定したところ，飽和花崗岩の熱拡散率は，常温から－20℃付近までに大きな変化は見らないこと，－20℃付近から－85℃付近へと冷却していくと熱拡散率は微増すること，さらに，飽和花崗岩と乾燥花崗岩の違いに関係なく，冷却過程における熱拡散率の変化挙動には違いがみられないこと，を明らかした。また(3)に関して，飽和含水状態の荻野凝灰岩の凍結過程（0～-170℃）における圧裂引張強さを計測したところ，圧裂引張強さは供試体温度の低下にともないほぼ上に凸の曲線を描きながら緩やかに増加(-170℃で室温の約6倍)する挙動を示すこと，-170℃における圧裂引張強さ(約19.4MPa)は乾燥凝灰岩(約11.8MPa)と氷(約1MPa)の複合材料(11.8MPaと1.0 MPaの和)では説明できないこと，さらに，本結果と平成27年度に実施した結果より飽和凝灰岩中の間隙水はその大部分が凍結していない可能性も否定できないこと，を明らかにした。
以上の結果より，凍結過程における飽和岩石の熱拡散率は，鉱物粒子間に存在する間隙水の体積に支配されること，粘土鉱物間に間隙水には関与されないこと示した。
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