2015 Fiscal Year Research-status Report
埋立地盤の年代効果を考慮した液状化強度推定手法の開発
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26420478
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
豊田 浩史 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90272864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50196755)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 液状化 / 年代効果 / せん断波速度 / 三軸試験 / 砂質土 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度,液状化強度の年代効果を調べる試料として,豊浦砂,豊浦砂+5%DLクレー(非塑性細粒分),豊浦砂+5%MCクレー(塑性細粒分)の3種類を選定した.実験の結果,年代効果が強く現れる試料としてみたときに,大きな差は現れなかったため,最も実験のやりやすい豊浦砂で行うこととした. 供試体作製は,乾燥試料を落下高さほぼゼロで堆積させて,モールドをたたいてやや沈下させて,相対密度を40%に調整した.この供試体に対して,通常圧密時の液状化に至る繰返し回数が,0.5サイクルになる応力比で繰返し載荷を行った. この結果,液状化強度に関しては,7日圧密試料(0.5サイクルで液状化),14日圧密試料(1.5サイクルで液状化),28日圧密試料(3サイクルで液状化)と,液状化強度増加が見られた.3日圧密までは複数回の実験を行うことで,結果に差が出ないことを確かめているが,それ以上の圧密時間についても複数回の実験を行って信頼度を上げていく必要がある.ベンダーエレメント試験から得られたせん断は速度については,ほぼ一定値で,長期圧密の影響を受けない結果となった. そこで,モールド内に上載圧10kPaで長期圧密した試料に棒を貫入させて抵抗値を読み取る,静的貫入試験装置を開発した.こちらにおいても,貫入抵抗値が増加する傾向は見られていないが,実験値にばらつきが大きいため,実験精度の信頼度を上げる努力をしていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期圧密による液状化試験の試料(相対密度40%の豊浦砂)および試験方法(通常圧密で0.5サイクルで液状化)について確定した.液状化試験を行ったところ,7日圧密試料(0.5サイクルで液状化),14日圧密試料(1.5サイクルで液状化),28日圧密試料(3サイクルで液状化)と,液状化強度増加が見られた.実験結果の信頼度を上げるために,今後再現性について検討していく.同試料について,ベンダーエレメントによるせん断は速度の計測を行ったところ,圧密時間による変化は見られなかった.今後さらに長期圧密試料について検討していく. 長期圧密した試料に対し,棒の貫入抵抗力を求められる試験装置を開発した.これを静的貫入試験と称す.静的貫入試験の試料は,高さH=123.5mm,直径D=104mmのモールド内に,三軸試験と同様の方法により作製した.供試体作製後,スペーサおよび錘を載せて上載圧10kPaを載荷した.通水用水槽内で,真空状態のもと,モールド底面に設置してあるポーラスストーンを介して下方から通水・飽和させた.その後,貫入面がフラットな直径10mmの貫入棒を0.25mm/minの一定速度で貫入し,貫入抵抗値を求めた.試験結果にばらつきがあるものの,圧密時間によって,貫入抵抗値が上がる傾向は見られなかった.こちらに関しても,今後実験精度の上昇と,さらに長期の圧密を検討していく.
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Strategy for Future Research Activity |
液状化三軸試験,ベンダーエレメント試験,静的貫入試験に関して,実験精度・信頼度の上昇とさらに長期の圧密試料について実験を継続していく.長期圧密により,液状化強度は増加するものの,せん断波速度や貫入抵抗値は増加しないという結果が得られた.そこで,液状化強度が増加する力学的メカニズムを探るため,精度良く三軸供試体の微小ひずみを測定できる装置を開発する.これも,長期圧密を行った供試体に対して,微小ひずみでの変形特性の変化を調べていく.つまり,線形弾性領域から破壊ひずみまでの変形特性を調べることで,何が原因で液状化強度が増加しているのかを把握できるようにする予定である.最終的には,埋立地の液状化強度が時間によってどの程度変化していくのか(年代効果)を,ある程度定量的に把握できるようにする.
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