2014 Fiscal Year Research-status Report
エトリンガイト生成量に着目した複合リサイクル材料の開発とその学際的意義
Project/Area Number |
26420484
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
亀井 健史 宮崎大学, 工学部, 教授 (30177597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 一軸圧縮強さ / 高炉スラグ / 石炭灰 / セメント安定処理 / 廃石膏ボード / 内部構造 / リサイクル / 軟弱地盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超軟弱粘性土地盤を想定し、高含水比140%程度の粘性土に対して代表者が提案している新複合リサイクル材料を異なる添加率で添加した安定処理土を作製し、その複合リサイクル材の添加率の違いが強度変形特性に及ぼす影響を明らかにした。また,走査型電子顕微鏡によりその内部の可視化を試み、その内部構造と強度発現過程の関係を解明を試みた。その結果,複合リサイクル材料の添加率とエトリンガイト生成量の発現が密接な関係があり、かつその安定処理土の強度特性に大きな影響を及ぼしている可能性を見出した。また、エトリンガイトの形状からその成長過程についても考察した。さらに複合リサイクル材料を添加した試料の耐久性を検討するため、乾湿繰り返し作用と凍結融解作用が各試料の強度変形特性に及ぼう影響について基礎的な実験を行い、その効果が認められており、現在それら実験結果を取りまとめている。 また上記複合リサイクル材料の締固め材料としての適用性を検討するため、標準砂試料に土の乾燥重量に対して複合リサイクル材料を異なる添加率で混入した試料を締固めることによって、その改良効果を検証した。これにより、まず複合リサイクル材料の添加率がその締固め特性に及ぼす影響を明らかにした。また、得られた試料に対して、28日養生した後で一軸圧縮試験を実施し、複合リサイクル材料の添加率の違いがその一軸圧縮特性に及ぼす影響を解明した。具体的には、複合理細工材料の添加率増加に伴って強度が増加した。 一方、本複合リサイクル材料が地盤環境工学観点からも重金属類(フッ素、ホウ素、六価クロム、カドミウム、ヒ素等)の溶出量提低減に十分な効果があることをを各試料に対して実施した溶出試験結果により確認し、その溶出量が環境基準値を満足する基準についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って順調に進んでおり、来年度はさらに研究成果あらわれるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
実地盤への本材料の適用を考慮した場合、複合リサイクル材料を添加した改良土の強度に関する耐久性の検討が必要不可欠である。そこで、新地盤改良材を有効利用した供試体に対して、乾湿繰り返しおよび凍結融解作用を与えた後一軸圧縮試験を実施し、乾湿繰り返しおよび凍結融解作用に対する強度変形特性に関する抵抗性を検討する予定である。また走査型電子顕微鏡を用いて、上記作用を受けた供試体の内部構造の変化傾向を解明する。 本年度では先述した新複合リサイクル材の添加率が実際の土試料の諸特性に及ぼす影響を実証するため、走査型電子顕微鏡を用いてその内部構造の可視化を詳細に検討する。また、内部において化学反応によって生成された物質(例えば、エトリンガイト)を定量的に評価するために、X線回折試験を実施する予定である。
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