2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420499
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 延明 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 学術研究員 (40706842)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 河川洪水 / 流木集積 / 橋梁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近年の気候変動下における豪雨による河川洪水において,橋梁に集積する流木によって引き起こされる越水現象について,先行研究による室内実験の結果に基づき,本研究一年目で構築された粒子法を使用した数値モデルによるシミュレーションを実施した.なお,本研究の3年間の進捗工程は,3つの工程があり,基礎Ⅰ:現地調査のデータの整理と解析,基礎Ⅱ:流木による越水現象の本質的な事象を研究した室内実験の結果について,数値モデルの開発と,それを使った再現計算,応用:現地適応の数値シミュレーション)である.2年目は基礎Ⅱ工程のうち,より高精度の計算条件の設定かつ越水を引き起こす主要因物理量の因子分析を考慮した上で,主に室内実験の結果と数値シミュレーション結果の比較検討を行った. その成果については,災害復興に関する国際シンポジウム(I3R2 Seoul, 2015)の査読付きプロシーディングスに学術論文として掲載された.その内容は,越水時の水位高と洪水を行き起こす要因(流木量,橋梁形状,流入量)に対して,主要因分析が行われた.論文タイトルなどは以下に示すとおりである. Kimura et al. (2015) Assessment of a key factor for mechanism of a river flood, caused by driftwood accumulation at a bridge. Proceedings of the 11th International Conference of the International Institute for Infrastructure Resilience and Reconstruction (I3R2), CD-ROM, Aug. 27-28, 2015, Seoul, South Korea 加えて,このプロシーディングスの論文内容をブラッシュアップし,更に解析した結果について論じた原稿を国際ジャーナルに投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3年間の進捗工程の内「基礎Ⅱ(室内水槽実験とモデルシミュレーション)」では,H28年3月までほぼ完了したと考えられる.しかし,最終工程の「応用(現地への数値モデルの適応)」は,まだ計画通りの進展が得られていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終工程の「応用」を,最終年度に進展させる予定である.主に,モデルの現地適応に伴う改良や現地データの整理,基礎研究から続く一連の研究結果をまとめた最終成果についての報告(学術会議等発表)する予定である.
|
Causes of Carryover |
初期計画では,計算機のグレードアップ(ソフトウエアーやメモリー,ハードディスクの増強など)を考えていたが,現時点での数値シミュレーションの計算不可は,既存のコンピューターで十分対応できるものであったからである.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の計画では,数値計算に負荷が掛かることで,計算機と周辺機器へのグレードアップ,加えて研究成果の国内外での学会発表に対して,旅費等の支出として使用する予定である.
|
Research Products
(2 results)