2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a road traffic measure evaluation model considering travel time reliability
Project/Area Number |
26420509
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内田 賢悦 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90322833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 時間価値 / 時間信頼性の価値 / 費用便益分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28 年度には、ドライバーの異質性を考慮し、ミクロ経済学と整合的な時間価値・時間信頼性価値推計モデルの構築を行ない、その成果をインターナショナルジャーナルで発表した(Kato, T., Uchida, K., A Study on Benefit Estimation That Considers the Values of Travel Time and Travel Time Reliability in Road Networks, Transportmetrica A, DOI: 10.1080/23249935.2017.1321695)。この研究では、道路ネットワーク上の観測交通量から交通の起終点ごとに異なる移動時間の時間価値とさらには移動時間のバラツキ、すなわち時間信頼性の価値を推定するモデルを構築し、数値実験を通じて構築したモデルの妥当性を検証した。その結果、観測交通量から事前に設定した時間価値と時間信頼性の価値が精度よく推計され、開発したモデルの妥当性を確認できた。 現在、交通プロジェクトによる便益評価は、走行時間削減、走行費用削減および交通事故削減による便益のみを対象としているが、時間信頼性向上による便益は対象となっていない。その1つの理由として、ネットワークレベルでその便益を適切に推計するための理論的モデルが存在しないことが挙げられる。交通の信頼性向上によるストック効果、すなわち便益を経済理論と整合的に推計するモデルの開発は、重要な研究課題となっており、道路利用者の異質性を考慮可能な推計法を開発できたことから、研究目標はある程度達成されたと考えられる。ただ、実データに基づいた検証まではできていないため、引き続き、研究を進めていく必要がある。
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