2014 Fiscal Year Research-status Report
個人間異質性を考慮した都市鉄道の旅行時間信頼性向上便益の推計精度改善に関する研究
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26420520
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
高田 和幸 東京電機大学, 理工学部, 教授 (30282867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋井 鉄雄 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10182289)
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20223373)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄道 / 所要時間信頼性 / 到着時刻分布 / 混合分布モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づいて研究を進めた. はじめに,交通の所要時間信頼性に関する既往研究をレビューし,近年の信頼性評価の開発の状況を確認すると共に,都市鉄道の所要時間信頼性の評価については依然として研究の蓄積が充分でないことも確認した.また混合分布モデルに関する既往研究についても文献収集を行った. つぎに,鉄道利用者を対象とするアンケート調査を設計し,商用のインターネット調査モニターを対象とするプレ調査を行った.主な調査項目は,鉄道の利用実態(乗車駅,降車駅,乗換駅,乗車時刻,希望到着時刻),到着状況(早着,定時着,遅着の分布)などである.調査対象者は,スクリーニング調査の結果に基づき,首都圏在住の鉄道通勤者とし,計1000名の方に回答頂いた. 次に,調査データを用いて到着時刻の分布状況についてその特性を分析した.希望到着時刻と実際の到着状況との乖離の状況を検証すると,遅れて到着すること極力避けている層,遅れて着くことをある程度許容している層,遅れて到着することを許容している層の存在が明らかとなった.そこで,これら異なる層の取り扱いについて混合分布モデルを用いて表現することを試みた. 本年度においては,正規混合分布モデルを適用して到着時刻分布を推定する場合と,正規分布に指数分布を加えた異種混合分布を適用して推定する場合との比較を行った.なお,各混合分布モデルのパラメータの推定には,EMアルゴリズムを適用した.ベイズ情報量規準BICを用いて,正規混合モデルと異種混合モデルの有効性を評価した結果,単一の正規分布で表現するよりも,混合分布モデルの推定結果が明らかに優位であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に行う予定であった内容は概ね実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施したプレ調査の結果を踏まえ,調査票の改善を図り,より精緻な分析に耐えうるデータの収集に努める.また研究成果についても,学会発表,学術誌への投稿など積極的に公開を図り,研究を推進するための情報交換を図る.
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Causes of Carryover |
当該年度においてはパソコンを購入する計画を立てていたが,従前より使用しているパソコンを有効に活用することで対応した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は,当該年度に実施したプレ調査の結果を踏まえ,本調査を実施する予定である.この本調査における標本数の増大に要する費用に充当することを計画している.
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