2015 Fiscal Year Research-status Report
個人間異質性を考慮した都市鉄道の旅行時間信頼性向上便益の推計精度改善に関する研究
Project/Area Number |
26420520
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
高田 和幸 東京電機大学, 理工学部, 教授 (30282867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋井 鉄雄 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10182289)
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20223373)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄道 / 所要時間信頼性 / 到着時刻分布 / 混合分布モデル / 潜在クラスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づき研究を進めた.当初は,昨年度実施したプレ調査の結果を踏まえて,本調査を実施する予定であったが,プレ調査データの活用で十分分析可能と判断し,プレ調査データを活用して分析を行った. 到着時刻の特性分析においては,目的地となる鉄道駅への到着状況(分布)の分布形状を表現しうるデータを作成し,k-meansクラスタ分析で類型化を試みた.その結果,異なる到着分布を有する複数のクラスが存在することが明らかとなった. つぎに,プレ調査で実施した移動目的(通勤,会議,空港,買い物)ごとの鉄道サービス選択実験データを用いて,一般的な多項ロジットモデルと,グループ間の異質性を考慮できる潜在クラスロジットモデルを推定した. 多項ロジットモデルを推定し,職場,会議,買い物,空港へ向かう場合の4つのケースで比較した.その結果,絶対に遅れてはいけないという状況下にあるほど,所要時間の不確実性を考慮してサービスを選択していることが明らかとなった.一方,買い物に行く場合など,ある程度の到着時刻に係わる制約が緩い場合には,所要時間の不確実性に対する感度が低いことが明らかとなった. k-meansクラスタ分析の結果を踏まえ,買い物,空港へ向かう場合の移動目的における潜在クラスロジットモデルを推定した.その結果,双方とも2つのクラスが存在していることが明らかとなった.そして,買い物の場合には.車内の混雑度を気にするクラスが大きく,所要時間とその不確実性を気にするクラスが小さいことが明らかとなった.一方,空港へ向かう場合には,どちらのクラスも所要時間の不確実性を気にしていることが明らかとなった. なお遅延許容度の分析につては,本調査を実施していないため,最終年度に分析を行うこととする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね計画通りに調査・研究は進んでいる.ただし,分析手法の開発と確認に際しては,前年度に実施したプレ調査データの利活用で概ね対応可能であることが判明したため,今年度には,プレ調査データを積極的に活用して分析・研究を進めた. ただ本調査を実施していないため,遅延許容度に係わる分析が十分には進んでいない.最終年度の早い段階で本調査を実施して,遅れを取り戻し,当初の研究計画を遂行させる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本調査を実施していないため,遅延許容度に係わる分析が十分には進んでいない.最終年度の早い段階で本調査を実施して,遅れを取り戻し,当初の研究計画を遂行させる予定である. 今年度は,学会発表を多く実施して,国内外に研究成果を公開すると同時に,研究成果の精緻化に取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
平成27年度中に実施予定であった「鉄道の所要時間信頼性に関するアンケート」の本調査を平成28年度内に実施することにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては,できるだけ早い時期に「鉄道の所要時間信頼性に関するアンケート」の本調査を平成28年度内に実施することとする.
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