2015 Fiscal Year Research-status Report
残渣物主体の埋立地における安定化の評価手法に関する研究
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26420538
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柳瀬 龍二 福岡大学, 環境保全センター, 教授 (20131849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 修 福岡大学, 環境保全センター, 助教 (00461509)
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 教授 (40078663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 埋立地 / 残渣物主体 / 安定化 / 廃止基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の埋立地は焼却残渣や破砕不燃残渣等の残渣物主体に変化してきている中、平成10年に規定された廃棄物埋立地の廃止基準中の判定項目が、現在の埋立地で適用可能かまたは新たな判定手法が必要かを判断する必要がある。本研究は福岡市の協力を得て、残渣物主体の埋立地(実フィールド)に設置したボーリング孔を活用して、保有水や発生ガス等について調査し、既存の不燃物主体の埋立地の調査結果と比較検討することで、残渣物主体の埋立地における廃止基準のための判定手法を確立することを目的とした。 (1)既存データの継続調査と整理:可燃物主体の埋立地におけるボーリング調査結果の収集を実施し、ある程度の情報収集が終了した。現在、本調査結果との整合性を検討中であるが、ボーリング孔内の保有水の滞水量が、水質やガス質に影響を与える傾向にあったことから、再度、既存の調査結果を再整理中である。 (2)ボーリング孔を用いた環境調査:現在、調査中の残渣物主体の埋立地で実施しているボーリング孔は、埋立地への降雨に伴い保有水の孔内への流入量の多少が滞水層厚に影響し、結果的に、保有水水質やガス質へ影響している点や、埋立廃棄物温度の違いが保有水中の有機物の分解に影響する点、及び廃棄物層厚が影響する点など確認でき、安定化を判断する上で定性的な分析だけでなく、定量的な判定が今後必要であった。 (3)コンクリート供試体の腐食等調査:残渣物主体の埋立地の跡地利用時のコンクリートの腐食対策を検討するため、作成した供試体を浸出水調整池と竪型ガス抜き管内に設置し、供試体の劣化状況調査を実施した。設置1年後は、浸出水中やガス中の環境下においても、供試体の表面は中性化が進んでいたが、硫酸カルシウム等の生成に伴う膨潤による化学的な劣化や、圧縮強度等を含めた力学的な強度の劣化等は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は埋立地の廃止基準となっている「不燃物主体の埋立地」と、現在、主流となっている「残渣物主体の埋立地」における埋立特性(保有水水質、発生ガス質、廃棄物層温度、廃棄物層厚など)を比較検討し、新たな埋立廃棄物の安定化と廃止に向けた評価手法を確立することを目的としている。 研究1年目は設置したボーリング孔を用いた調査を中心に行い、埋立地内部の状況(保有水水質、ガス質、廃棄物層温度など)把握を行ってきた。研究2年目も継続調査を実施してきた。同時に、既存のボーリング孔の調査結果を収集・精査し、本研究結果と比較検討する中で、定性的な調査結果だけでなく、定量化による状況を把握することが必要であり、今後、定量的な手法による安定化を評価する検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目はボーリング孔の環境調査を通して、定量化による評価を判断に必要な情報を収集・精査し、「不燃物主体の埋立地」と「残渣物主体の埋立地」の安定化の評価を、諸条件下で比較検討しながら、両者間の比較表を作成し、埋立地の安定化に必要な評価項目の抽出と、判定のための判断手法を提案する。
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