2015 Fiscal Year Research-status Report
超巨大地震に対応した次世代高精度地震動評価式の開発
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26420542
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 晋 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (40361141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
源栄 正人 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90281708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地震動評価式 / 超巨大地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,国内外でその発生が危惧されている超巨大地震に備えて,1) 超巨大地震へも適用可能かつ,2) ばらつきを大幅に減少させた次世代の地震動評価式を開発すること,3) 開発した評価式による地震ハザード・リスク評価を行い,その工学的な影響度を評価することを目的としている。 平成27年度は,平成26年度に構築した強震観測および数値実験データベースを用いて地震動評価式の関数形とノンパラメトリックモデルの検討を進めた。具体的な検討内容は以下の通りである。 (1) パラメトリックモデルおよびノンパラメトリックモデルの関数形検討 前年度で構築した数値実験データベースに対して,パラメトリックモデルおよびノンパラメトリックモデルの適用性の検討を行い,前者については震源・伝播経路・地盤増幅の関数形とパラメータの検討を,後者については,震源域・地震規模・観測点等をパラメータとした場合の検討を行った。 (2) 観測記録データベースのスペクトルインバージョン解析 チリ地震の強震動データベースを構築した。前年度構築した日本の強震記録データベースとともに,日本とチリにわけてスペクトルインバージョン解析を行い,パラメトリックモデル用の震源,伝播経路,地盤増幅パラメータを推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
強震動データベース構築,スペクトルインバージョン解析,パラメトリックモデルの構築については概ね計画通り。ノンパラメトリックモデルの検討については入力変数の検討等に時間を要し,やや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は,研究の最終年度として,下記の項目を実施する。 (1) 実地震に対するパラメトリック・ノンパラメトリックモデル開発については,前年度遅れ気味なノンパラメトリックモデルの手法検討を進めた後,前年度までに構築した日本,チリそれぞれの強震記録データベースを対象として,パラメトリックモデル・ノンパラメトリックモデルの当てはめを行い,超巨大地震へも適用可能な地震動評価式を推定する。 (2) 仙台市の地震ハザード・地震リスク評価については,(1)で求めた地震動評価式を用いて,仙台市を対象にシナリオ地震に対するハザード評価と確率論的地震ハザード評価を行うとともに,建築物に対する地震リスク評価を行い,地震動評価式の違いがハザード評価・リスク評価に与える影響を把握する。 (3) 総合評価として,全ての検討結果を総括し,超巨大地震に適用でき,かつばらつきが小さい地震動評価式を提案するとともに,提案した評価式が地震ハザード・地震リスク評価に与える影響についてまとめる。
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Causes of Carryover |
学会などでの情報収集のための旅費を予定していたが,台湾地震の発生などにより参加をとりやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定通り,研究用資料や解析用ソフトウェアの購入を予定している。また,研究補助及び資料収集に謝金を,成果発表及び資料収集のために旅費・印刷費・投稿料等を予定している。
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