2016 Fiscal Year Research-status Report
コンクリートのライフサイクル履歴情報管理システムに関する研究
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26420543
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
杉山 央 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (50344015)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンクリート / 品質管理 / 信頼性 / トレーサビリティ / リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、建築材料として用いるコンクリートの信頼性向上を目的として、その製造過程における各種情報を記録・保存するトレーサビリティ管理システムを構築する。さらに、その後の施工、供用および維持管理段階における各種情報も記録・保存する仕組みを付与して、コンクリートの製造から解体に至るまでのライフサイクルを対象とした履歴情報管理システムへ拡張させる。トレーサビリティを管理するためには、コンクリートに識別番号を付与すること、およびそれに対応した履歴情報を記録・保存することが重要であるが、前者についてはICタグを識別媒体としてコンクリート中に投入する技術を導入する。後者については、コンクリートの製造から解体に至るまでのライフサイクルにおいて重要となる情報を抽出し、優先順位も勘案しながら履歴情報管理システムに取り込む。 平成28年度は、以下の研究を実施した。 1)平成27年度にコンクリートのライフサイクル履歴情報管理システムの基本方針(フロー)を検討したが、それを基に具体的なシステムを構築した。 2)コンクリートのライフサイクル履歴情報管理システムでは各種情報を格納したICタグを鉄筋コンクリート部材中に埋め込む方法を提案しているが、ICタグとリーダ/ライタの通信に及ぼす鉄筋の影響を明らかにした。さらに、鉄筋コンクリート部材中に投入すべきICタグの数量を算出する方法を提案し、この成果を日本建築学会構造系論文集に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助事業の成果をより実用的なものにする目的で事業期間を延長したが、当初の計画に沿った成果を挙げてきている。今後、これらの成果の論文投稿および学会発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、以下の研究を実施する予定である。 1.コンクリートのライフサイクル履歴情報管理システムにおける情報の精査 生コンクリート製造者、建築物の施工者、維持管理者などへのヒアリングを実施することで、ライフサイクル履歴情報管理システムを精査・改良し、本提案システムをより実用性の高いものにする。 2.研究成果の論文投稿 本研究の成果の一部を日本建築学会構造系論文集に投稿し、平成29年1月に掲載されたところであるが、さらに論文を作成して投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画に従って順調に研究が進んだが、ライフサイクル履歴情報管理システムをより実用性の高いものにするため、生コンクリート製造者、建築物の施工者、維持管理者などへのヒアリング調査が必要となった。また、本研究の成果を日本建築学会の論文集に投稿する予定である。このため、補助事業期間を延長するとともに、必要な研究費を残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査に必要な旅費、論文投稿費などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)