2014 Fiscal Year Research-status Report
多様なヒンジ接合で構成されたモバイル建築のための展開型骨組構造の設計手法
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26420557
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
津田 勢太 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (80584325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 純 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40176855)
中原 嘉之 岡山県立大学, デザイン学部, 助手 (60726983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 展開構造 / メカニズム / 折紙 / モバイルシェルター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,軽量で運搬性・設置性の高い展開型構造を,多様なヒンジ接合を使った骨組構造で実現するための設計手法を提案することを目的とする。本年度に達成した成果は以下のとおりである。 1. 紙の弾性を利用することなく折り曲げることができる剛体折紙の展開過程をもとにして,これを展開形の骨組構造に変換する手法を提案した。単純に折紙の稜線に部材を配置して交点にユニバーサルジョイントを用いるのではなく,折紙の対称性等を利用して,タイプの異なるヒンジ接合を随所に配置することで,部材が少なく自由度が1のメカニズムを導出した。縮小模型による試作を繰り返して, 展開性の確認をするとともに,着脱性を含めたヒンジ接合部ディテールの必要要件についての知見を得た。 2. 上記の形状からより多様な形状へ展開できる構造とするために,接合ディテールを更に改良し,長さの異なる部材に変更することができる構造形式を提案した。この骨組構造の展開機構は,もともとの折紙のものとは異なり,線状に折りたたまれた状態から展開する新しいタイプの展開構造である。 3. 部材端断面力における2次降伏関数を用いた極限解析と同等の2次計画問題を定式化し,部材軸から任意の角度に傾斜したヒンジ接合を有するメカニズムを解析により導出した。縮小模型を作成して,その製作可能性および展開挙動について検証をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・模型による展開性について検証を進めることで、着脱可能な接合部の有用性について把握できたとともに、今後の改良方針が明確になった。また、模型による展開実験の観察を通して、当初想定していなかった新しいタイプの展開構造の提案をすることができた。 ・傾斜したヒンジ接合によるメカニズムの導出手法は提案できたが、混合整数計画問題による任意形状骨組のメカニズム生成は遅れている。ただし、上記のように折紙構造から発展させた展開型構造に関する研究は平行して進めており、有益な知見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
・着脱可能な接合部の有用性が明らかになったので、より着脱が簡易な手法について検討を進める。 ・当初計画では、仕上げ材として柔軟な膜材を想定していたが、折紙の展開機構を利用した展開型骨組構造の場合、軽量なパネル材を利用することが可能であるため、パネル設置による展開性についての検討を進める。 ・線形収納される新しいタイプの展開構造について、接合部等を更に改良し、展開性を向上させる手法の検討を進める。
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Causes of Carryover |
展開挙動の確認用に購入を予定していた3次元写真計測システムの購入を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
変位計測機器、パネル等製作のための材料
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Research Products
(3 results)