2014 Fiscal Year Research-status Report
座屈拘束ブレースの間隙が補剛材必要剛性に与える影響
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26420576
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
吉田 競人 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, その他部局等, 准教授 (70648914)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 座屈拘束ブレース / 有限要素法 / 接触解析 / 摩擦 / 間隙 |
Outline of Annual Research Achievements |
座屈拘束ブレース(以下「BRB」と称する)の設計基準は日本建築学会編「鋼構造座屈設計指針」(以下指針と称する)に掲げられている。しかし,理想的なBRB材を対象としているため接触により発生する摩擦力は考慮されていない。そこで,本報告においては,種々の細長比を有するBRBに対し摩擦と間隙を考慮した拘束材の剛性を解析的に探り,併せてその解析結果と指針式による計算結果との比較を行ない以下の知見をこれまでに得た。
(1) 間隙が大きいほど拘束材中央面外変形量は大きくなる。摩擦係数が0.5までの範囲においては,細長比の大小に関わらず摩擦係数が拘束材中央面外変形に及ぼす影響は少ない。 (2) 剛性比を一定とし,BRB拘束材の中央面外変形量(δc/LB)を解析結果と指針式(1)から求めて比較すると,間隙量が0.2mmと少ない場合,その値は0.03%以内である。しかし2.0mmと大きくなると,指針式(1)から得られるδc/LBの値はL9を除き0.15%を超え,大きく増大する。なお,摩擦係数がこれらの結果に及ぼす影響はほぼない。 (3) 芯ブレースが高次の座屈モードに移行した後に,全断面が塑性化領域に達するような補剛材必要剛性比(Sreq)を指標として,解析による結果と指針式(1)による結果を比較すると,間隙が少ない場合は指針式が安全側の値を与えるが,間隙が大きくなると不十分な値を与える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた拘束材と芯ブレースに存在する間隙と摩擦力の影響は,WSなどの機器の導入を行ったことにより多数のパラメータ解析が可能となり,ほぼ解明ができた。その概要は上述の通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初27年度は26年度の回帰式を実験による検証を行う期間とし,実験は回帰式の検証ということから最小限とする予定としていた。当初の予定どおり,本年度には実験を行う予定である。実験計画作成にあたり,年度前半はその結果のとりまとめを行い,その後その結果を反映した実験モデルを計画し,その後実験を行う予定である。ただ,本年度に加力機器の入れ替えがあったため,それに適する治具や実験方法を再検討する必要があり,予定よりも時間を要することを見込んでいる。
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Causes of Carryover |
当初購入予定のワークステーションの見積もり額を考慮し,海外調査やPCの購入の見送りおよび実験用周辺器具の購入を行わなかった。しかし,実際にワークステーションの入札を行ったところ大幅に下がったために,残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度において,昨年行わなかった予備実験を含む本実験を行う予定である。そのために実験実験器具,周辺諸材料の購入に助成金を使用する予定である。
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