2016 Fiscal Year Research-status Report
建物管理方策に着目した高層住宅のレジリエンスを高める手法に関する実証的開発研究
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26420580
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 幸宏 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (10398935)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レジリエンス / 建物管理システム / 建物機能維持 / 超高層マンション / ライフライン / 建築設備 / 生活継続 |
Outline of Annual Research Achievements |
高層マンションが急増するなかで、震災時にライフラインやエレベータが停止し、地上との行き来が困難な状況下で住民が混乱・孤立することが懸念されている。火災や構造体への損傷が無い状況では、避難せずに住み続けられる状況を実現することが重要である。本研究ではこの課題に対して、建物のレジリエンスを高めるための建物管理方策に着目し、地震災害時に住民の居住継続を支援する建物管理の新たなシステムを実証的に開発することを目的として研究を進めている。設備系統を中心に稼働状況や被害状況を的確に収集、建物管理者に集約し、機能不全の原因把握、迅速な応急・復旧対応を可能とする建物管理方策の標準的な方法論を開発するものである。本研究は、実際の超高層マンションを対象として、実証的な研究開発を進めている。これまでに、国内外で初となる「Life Continuity支援システム」の実装まで終えている。本年度は、システムの運用面での課題抽出と、効果確認・評価に関する研究を推進した。特に、地震が発生する毎にデータを確認し、関係者とレポートを共有する作業を継続している。このことによって、毎回の地震の特性に応じた対応ガイドラインの作成が可能となる。具体的には、優先的に確認すべき場所・事項を予め定めておくことや、住民の安心に資するような説明を行うことが可能になる。システムを有効にご活用頂くことで、発災後の防災センターの負荷を軽減し、貴重な時間をより優先度の高い対応に充てて頂くということも、本システムの重要な役割のひとつである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内外で初となる「Life Continuity支援システム」の実装まで終えており、システムを活用した訓練の実施や、システムを活用した建物管理手法の検討についても研究を進めている。当初の計画以上に良好な成果が得られている。関係各位に御礼申し上げます。
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Strategy for Future Research Activity |
他地域でも展開可能な知見をまとめられるように本研究での成果を有意義に活用していく。
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Causes of Carryover |
研究計画は順調に達成しております。年末・年始に発生した最新の地震の状況なども含めて研究成果のとりまとめを行い、論文の作成、英訳、投稿等の作業を行うため、補助事業の延長を申請させて頂きました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の作成、英訳、投稿等の作業に使用致します。
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