2015 Fiscal Year Research-status Report
精神科病院における空間的アプローチによる治癒環境に関する研究(実証調査編)
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26420598
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 茂樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80134352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 玲奈 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 客員研究員 (10431313)
鈴木 弘樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50447281)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神科病院 / 空間的アプローチ / 治癒環境 / 実証調査 / サーカディアン / ディルーム / 隔離室 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「精神科病院における空間的アプローチによる治癒環境に関する研究」の継続研究で、前研究の成果を実証調査する研究である。前研究の成果は、従来の施設収容型医療空間と相応に空間量があり空間の状況に多様性がある空間とでは、患者の行動様式が異なり、その要因を空間のポテンシャル量に見出せることを発見したことである。本研究はこれらの成果に基づき、空間的アプローチによる視点は変化させず、さらに空間認識をはじめとする環境心理的知見と看護学からのアプローチを援用しながら、治癒的空間を実際につくり実証調査する研究である。研究対象箇所は隔離室とディルームである。昨年度は、隔離室にサーカディアンライトを天井に設置した。また、ディルームでは、既存の家具配置で患者の行動観察調査を行った。今年度は、隔離室に患者を入れサーカディアンライトを運用し、担当医に協力を仰ぎ医学的な病状のGAFやGHQなどのスケールを用いて、サーカディアンライトを設置した部屋と設置してない部屋のデータを収集した。調査は継続中である。ディルームでは、家具の配置によって患者の行動や行為がどう変化するかを行動観察調査で確認した。家具配置のパターンは4パターンで違う日で2回調査を行った。現在、得られたデータを整理分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、隔離室にサーカディアンライトを天井に設置した。また、ディルームでは、既存の家具配置で患者の行動観察調査を行った。今年度は、隔離室に患者を入れサーカディアンライトを運用し、担当医に協力を仰ぎ医学的な病状のGAFやGHQなどのスケールを用いて、サーカディアンライトを設置した部屋10事例と設置してない部屋20事例のデータを収集した。サーカディアンライトを設置した部屋は現在調査を継続し、20事例まで収集する予定である。サーカディアンライトを設置していない部屋は目標事例数の20事例に達した。閉鎖隔離病棟のディルームでは、家具の配置によって患者の行動や行為がどう変化するかを行動観察調査で確認した。家具配置のパターンは4パターンで違う日で2回調査を行った。現在、得られたデータを整理分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
サーカディアンライトを設置した部屋は現在調査を継続し、20事例まで収集する予定である。収集後、サーカディアンライトを設置していない部屋のデーターと比較し分析する。その成果を元に最終年度の目標である計画提案につなげる。 閉鎖病棟のディルームでは、家具の配置の違う4パターンで2回調査を行った。現在そのデータを分析中である。その分析成果を元に最終年度の目標である計画提案につなげる。
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Causes of Carryover |
今年度は分析するためのデータ収集を重点的に行った。データー整理と分析のため謝金を執行する予定であったが、来年度データー整理と分析を重点的に行う予定でその金額を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データー整理と分析を行う予定でそのための謝金を執行する予定である。
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