2015 Fiscal Year Research-status Report
三陸漁村地域における生活回復の個別性と復興支援活動の計画化
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26420599
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 雪彦 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (80334481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 寛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70316040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 復興過程 / 支援活動 / 計画化 / 参与観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の大きな成果としては、復興支援活動の参与観察的調査の一環として、大船渡市細浦地区において復興朝市を毎月開催したこと、この開催の際に、関係機関や地元住民、組織との調整を通じて、復興支援活動の計画化に資する知見を得たことである。具体的には、住民の自主性を尊重した提案や市・漁協との意思疎通の重要性、継続のための財政的検討などである。経済的持続性のために各種財団の助成金などを取り安定的運営を図ることの重要性が指摘できた。次年度には助成金の申請も行う予定である。また生活分析については、被災地ではないが、札幌市、松戸市の市街地と静岡市の農村部において、余暇と交流に関する生活分析を行い、学術論文として投稿し採用通知を得た。具体的成果としては、余暇・交流に関して都市部・農村部問わず個人化が進んでいて、こうした社会的背景は被災地の生活回復においても援用可能なものであると考える。さらにルーマニアにおけるEUのLEADER事業の調査を行った。これは地域の支援活動の計画化に関する知見を得るためのものであった。ルーマニアにおいては、支援活動は農業生産や技術、雇用などに注力されていおり、わが国においては、個人の財産形成につながる産業支援(特に自営業・個人事業主に対する支援)に慎重であるが、地域支援制度においてもこうした産業支援の重要性が改めて指摘できる。次年度には復興朝市に参加する被災者へのヒアリング調査を行うこととしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
復興支援活動の計画化という点では復興朝市の立ち上げと分析を行ったことは地域の復興にとってあるいは研究の進捗にとって有意義なことであった。しかし、こうした復興朝市に関わる企画、運営、連絡、調整業務など雑務・実務作業に時間を使い、住民に対するヒアリング調査が次年度に繰り越しとなった。被災住民へのヒアリング調査は、仮設住宅、高所移転先住宅、復興公営住宅、自力再建住宅など場所もそれぞれの環境もばらばらのため準備に多くの時間と手間を要するので次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
仮設住宅・高所移転住宅において被災者に対するヒアリング調査を進め復興支援課題の再整理を行いたい。具体的には震災2年後の生活回復調査と比較して5年後の生活回復の状況を相対化・客観化することである。同時に研究分担者の行う福祉支援の活動も研究的分析により客観化し、異分野支援の連携の可能性について考察を深めたい。また市と連携しながら復興支援の活動助成金(本研究費は研究のための助成金であるため)を申請し、さらなる復興朝市の定着と拡大を行いたい。
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Causes of Carryover |
2万円程度の端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究データの印刷のためのトナーに充てたい。
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Research Products
(3 results)