2016 Fiscal Year Research-status Report
三陸漁村地域における生活回復の個別性と復興支援活動の計画化
Project/Area Number |
26420599
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 雪彦 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (80334481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 寛 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (70316040)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 生活回復 / 復興 / 被災地 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、参与観察調査や他地域での支援活動の計画化に資する知見を得る調査を中心に行ってきたが、本年度は生活回復に関わる調査を行い、3年前に行った同様の調査とデータをつき合わせることで時系列的な回復の分析を行うこととした。つまり高台移転が完了した被災者に対するヒアリング調査を行った。高台移転により居住環境は落ち着いたものの、さらに被災後から健康を損なう者も見られた。概ね3年前の調査に比べても、生活回復は着実に進むが、全体的な状況としては3年前とは、仮設住宅か高台移転かという違い以外には大きな差異が見られない場合が多いとも言える。復興支援の計画化については、復興支援活動を進める中で、復興朝市の実証実験が順調に推移した。つまり、毎月1回の朝市を開催し、コミュニティの再生になるとともに、生活必需品の販売を行うことで、地域住民の生活の一助にもなった。同時に商業施設の基礎となる仮設の上屋の建設を行うことができた。これらについては、次年度には復興支援の計画化のスキームを提示できる見込みであり、実証実験では、仮設の上屋を使用し多くのイベントを開催することでコミュニティの再生につなげることとする。同時に、ヒアリング調査は高台移転が先に行われた一部住民に対してだけであり、次年度では、残りの被災者についてもヒアリング調査を行い、生活回復の全体像を明らかにする予定である。本年度で修了予定の科研であったが、延長申請を行い認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高台移転が対象地域において遅れていたため、ヒアリング調査を高台移転直後に行う形では、高台移転による環境変化が十分に調査に反映しづらいため、一部の被災者のヒアリング調査は次年度に行う方がデータの信頼性が上がると考えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
高台移転が遅れていた被災者の生活回復調査を進め、支援活動の計画化のスキームを完成させ、投稿論文を執筆したい。
|
Causes of Carryover |
高台移転が現地でおくれたため、一部の被災者については、高台移転後の生活回復の変化を聞き取る時にデータの信頼性を保つため、概ね高台移転から半年から1年後に聞き取り調査を行う方が回復変化の測定が明確に行えると考えた。また29年度は対象地での多目的広場の整備、湾口防波堤の整備、港の護岸整備等が始まり、復興の新たな局面を迎え、これを踏まえた生活回復、住民の反応を測定することでより研究の深度化がはかられると考えた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
高台移転が遅れた被災者へのヒアリング調査のための旅費に充てる。1泊2日が2回程度(旅費が4万円超・レンタカー代1万円超で2回で11万円程度)
|
Research Products
(1 results)