2016 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction between road and house with 'Gangi' from the viewpoint of changing process through the comparative study among three villages in Joetsu city in Niigata prefecture
Project/Area Number |
26420602
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒野 弘靖 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80221951)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 雁木 / 町家 / 道路 / 水路 / 屋敷 / 平面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は伝統的な街路空間である〈雁木〉について、近代以降に町家の更新される中で相隣関係が保持され、街路や主屋と一体となって相補的な空間システムが維持されてきた過程を把握することを目的としている。 年度当初に予定していた4項目について実測調査とデータの図面化を進めた。まず城下町〈高田〉で大町3丁目の連続する3軒の平面図を作成した。前年度に入手した1978年区画整理従前図と比較し変容過程を把握した。つぎに連続立面図を作成した。隣家の更新に伴い側面の高窓から屋根上の天窓への変更によりチャノマの光環境を確保する過程と相隣関係を記述できた。湊町〈直江津〉や街路村〈稲田〉の雁木町家にも高窓からの採光を確認した。第三に、祭礼時の雁木空間の設えと住民の行動場面を連続平面図と断面図に記述した。3つの雁木通において、雁木柱が公私境界であることを示す設えと行動場面が共通していた。第四に、3つの町の相隣関係と相補的関係を比較した。道路側と後ろ側の両方に住居から働きかけがなされた結果、各地区の特徴的な街路景観がつくられていることを把握した。連携研究者が進める中国広州市の騎楼の調査結果と比較した。街区レベルで道路と住宅の関連に注目すると建築形態も住まい方も大きく異なっていた。私領域に属する雁木空間が都市の構成要素として公共性を獲得する根拠として、屋敷構えの要素が並びをなすことにより居住環境を確保する構成を屋敷ゾーンごとに持つ点、雁木の開放性が居住者の道路や屋根への働きかけをもたらしている点を把握した。 研究代表者は研究成果を平成28年6月から7月にIAPSで発表し、8月に建築学会大会で報告した。平成29年1月に上越市からの招待により同市職員を対象に報告した。平成29年3月6日と3月7日に連携研究者とともに上越市の町家交流館高田小町において地域の住民と上越市担当課職員を対象に成果報告会を実施した。
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