2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the management of historic houses as important cultural properties (Jubun Minka) and the need to pass down cultural aspects to the locals
Project/Area Number |
26420606
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
碓田 智子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70273000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗本 康代 平安女学院大学, 国際観光学部, 准教授 (20410954)
増田 亜樹 大阪人間科学大学, 人間科学部, 助教 (50441126) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 重文民家 / 維持管理 / 公開と活用 / 歴史的建造物 / 居住文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
重文民家の維持管理と活用の実態を明らかにし、重文民家に暮らしつつ保全を図るための支援のあり方を検討することを目的に研究を行った。 【最終年度に実施した研究の成果】平成27年度に実施した英国の歴史住宅協会(Historic Houses Association)等の訪問調査の結果を発展させ、わが国の個人所有重文民家の研究成果と課題を発信するとともに、個人所有重文民家の支援のあり方を英国のHistoric Houses Associationの事例に考えるための国際シンポジウムを実施した。歴史的住宅を存続させるための最良の方法は個人所有のままで、補助金や税制のアレンジによって所有者を支援するという考えは、わが国の重文民家への支援のあり方に示唆を与えるものであった。本シンポジウムについては報告書を作成し、重文民家所有者や重文民家を管理する自市町村等に配布した。 【研究期間全体を通じた研究成果】1)個人所有重文民家については立地条件や維持管理と公開・活用情報のデ-タベ-スを作成し、その特性を検討した。2)公有重文民家についてはアンケ-ト調査と訪問調査により、維持管理や活用の実態を明らかにするとともに、市町村が重文民家を管理する課題を検討した。建物や敷地の規模にもよるが、年間3,000万円近くの管理費(人件費含む)を要しているケ-スもあり、自治体の財政負担が大きいことが明らかになった。3)個人所有重文民家のサポ-トモデルについては、手法の異なるサポ-ト事例の訪問調査のほか、「伊佐家住宅」において活用の実践活動を行った。「伊佐家住宅」では定期的に演奏会を開催できるようになったが、このことが地域住民が重文民家を訪れるきっかけになって、重文民家への理解につながっていく可能性が窺えた。
|
Remarks |
「重文民家のいまとこれからを考える」シンポジウム報告書、重文民家マネジメント研究会(代表 碓田智子)、全44頁、2017年2月発行
|