2016 Fiscal Year Research-status Report
郊外計画住宅地における独居高齢者の住宅内行動の把握と時系列変化
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26420612
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松本 真澄 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (60229573)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 地域継続居住 / 赤外線人感センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎え独居高齢者が増加するなか、高齢者の社会的孤立を防ぎ、居住の安定をはかることが急務となっている。そこで、独居率が高くコミュニティの希薄化が懸念される郊外計画住宅地を対象に、自立支援機器として見守りセンサー(赤外線人感センサー)を利用することにより、高齢者の生活行動をモニタリングし、従来の住まい方調査とあわせて高齢者の住宅内行動を客観的に分析し、独居高齢者の在宅での生活様態を時系列的に把握し、効率的な見守りシステムの構築に資することを目的に研究を行った。 すでにセンサーを設置している対象者について、2名は都合により取り外しを行った。それ以外の対象者については継続して調査を実施している。これにより、3年以上の長期にわたるデータが取得できた。本調査期間中、ライフスタイルの大きな変化がみられた対象者もいる。一般的傾向としては、認知力等のゆるやかな低下がみられる。また、これらの対象者の住宅の間取り、家具配置、家財の量、などについて継続調査を行い、日常生活の様態についてヒアリング調査を重ねて行った。地域包括支援センターや地域のNPOと共同して見守りのための手法の評価についても検討を継続している。 さらに、生活行動把握のアルゴリズムについては、蓄積されている見守りセンサーによるデータをもとに、分析作業を進めているが、改善の余地がある状況である。 居室の使い方に顕著に変化のある事例について、論文としてとりまとめて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象者の一部が調査を中断した。長期にわたる調査のため、機器の不具合などが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため、これまでの収集データを元に、生活行動把握のアルゴリズムについて一層の改善を行い、精度を向上させるとともに、大きな生活変化にともなう生活リズム変化の把握についても対応できる評価方法を検討する。
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Causes of Carryover |
その他の項目(委託費)に大幅な差が生じた理由は、調査対象者の減少による。また、共同研究により別途赤外線センサーが利用でき、追加費用がかからなかった。また、物品等については、基本研究費等の他の予算で購入したため、当予算を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大量のデータが蓄積されたことをうけ、データ整理等に人件費を使用する予定である。また、論文投稿費として使用する。
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