2015 Fiscal Year Research-status Report
防災減災と連動した救急医療施設とドクターカー・ヘリとの連携による医療圏域の構築
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26420622
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大内 宏友 日本大学, 生産工学部, 教授 (00203711)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 救急医療 / ドクターヘリ / ドクターカー / 道路網形態 / 病院船 / 適正配置 / GIS / フラクタル次元解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は欧州における救急医療システムの運用に関する状況を把握するため、救急医療システムの遠隔医療等の試行段階にあるものも含め、救急医療に関して有効なシステムの検討を行う前段階として、主にEU の5カ国に対して現地調査及びヒアリングを行った。具体的には①救急医療システム(ドクターカー、ドクターヘリ、他)の現状把握、②消防における情報システム(GIS・GPS、救急救命士、他)の現状把握、③自治体における都市・地域計画等からの取組み(地域ICTとの連動、他)の検討、④地域住民をはじめ医療機関及び消防関連機関へのヒアリング他を欧州にて現地調査を行った。これら地理的条件をふまえた時間的指標に基づく救急車両・ドクターカー・ヘリと基地病院・ランデブーポイントとのネットワークや運用効果の視覚的かつ定量的な検討方法を見据え、都市の密集市街地や農山漁村地域の過疎地域等も視野に入れ、多様な都市の整備状況に即した、生命を守る生命環境モデルの構築に向け、時間的指標を治療開始時間として可視化するという点に着目し、国土交通計画及び、都市・地域計画における救急医療情報システムと道路配置・施設配置モデルの構築に向けて、調査研究項目等の妥当性と有効性を検証した。研究項目は、救急医療情報システム各に消防署から出動現場、搬送先の病院までにおける有効出動範囲を明らかにし、各地域の人口・道路の救急活動に与える影響との関係性の分析・考察を行い、救命率の向上と、医師の負担軽減における評価指数を提示した。また、救急医療業務における時間的指標を構築し、圏域的指標として可視化し、地域における救命率向上の施設配置計画の指標を検討した。さらに、災害情報・活動支援・車輌動態・位置把握など、救急医療におけるシステムと国土交通計画、都市・地域計画の分野とによる道路道路網計画、施設配置計画における整備指針の指標化を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GIS(地理情報システム)において空間データを用いた道路ネットワーク解析を行うことにより、救急隊の有効な出動範囲を道路網形態より把握でき、出動圏域としてフラクタル次元解析により評価の可視化について検討出来た。これらは、今後さらに、サービスの受給可能な圏域設定におけるガイドラインの検討が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は医療・保険・福祉関連の法整備を一体的にとらえ法施策上の問題点を整理し、サービス需給に着目した圏域的分析手法により、都市・地域計画における救急医療システムと都市・地域計画の整備指針の判断基準を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
海外(ヨーロッパ諸都市)への一部の国で現地調査を実施出来なかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外への現地調査への現地調査の一部として使用を予定している。
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Research Products
(12 results)