2015 Fiscal Year Research-status Report
SI方式による転用可能なコア・ユニットをもつ仮設住宅システムの開発研究
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26420623
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
小見 康夫 東京都市大学, 工学部, 教授 (70409374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 仮設住宅 / 解体・再利用 / インフィルユニット |
Outline of Annual Research Achievements |
1.転用を前提とした仮設住宅の解体工事等調査 東日本大震災で福島県会津若松市に建てられた城北小学校北応急仮設住宅団地は、解体され同敷地内に災害公営住宅が建てられることになっている(現在建設中)。これらの災害公営住宅は、元の仮設住宅(木造板倉構法)の躯体・屋根材等を極力再利用してつくるよう計画されているため、スケルトンの効果的な転用・再利用を考える上で貴重なモデルケースとなる。そこで、これらの仮設住宅の解体工事現場の調査を実施し、具体的な計画の概要、工事・工数の把握、解体上の問題点等の把握を行った。さらに、解体材の一時保存状況卯についても、ヒアリング及び目視調査を行った。 2.コア・ユニットを構成するための積層型インフィル家具ユニットの試設計及び試作 インフィル側のコア部分の骨格の構成として、積層型のモジュールを用いて組み立て・分解する方法を考えた。具体的には、互換性のある複数の基本モジュールを用意し、それらを連結・積層して組み合わせることで、条件に合わせて柔軟に対応することのできる(DIYも可能な)システムである。今年度は、それらの基本システムの設計を行い、まずは通常の住宅内での家具・間仕切り等のインフィルを構成すべく、一次試作を行った。材料の選定・基本モジュール寸法の設定、連結方法の検討、組み合わせによる構成例の設計等、様々な検討を行った後、製作工場との調整・部品製作を経て、学生を含む素人のDIYにより組み立てを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
具体的な仮設住宅の解体工事の現場調査は、研究計画当初は(該当するプロジェクトが未定だったため)必ずしも想定してはいなかったが、その後タイミング良く見つかったため、実施することができた。これにより、文献・ヒアリング調査よりも具体的なデータと知見を得ることが出来た。 コア・ユニットに関する試作についても、当初は模型程度を考えていたが、実際のリフォーム住宅の一部で実際の試作品を設置することができたため、より具体的な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では平成28年度は「コア・ユニットの試作および評価」となっているが、27年度に既に基本的な部分の試作を実施しており、今後はその応用・展開についての研究が中心になる。一方、27年度に調査した仮設住宅の解体工事は、今年度復興公営住宅の建設工事へと受け継がれるため、そちらの現場調査を行い、スケルトンの転用についてもさらに分析・考察を深めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初計画では、「構工法・ハードウェア構成の検討」「解体及びリユース手法の検討」について、文献調査・ヒアリング調査・CAD入力等で人件費を見込んでいたが、それらの一部が現場調査・現場作業等の人件費に置き換わったため、時間数が減少したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の研究の推進方策等で述べたように、解体材による災害公営住宅の建設工事の調査が加わるため、そちらの費用に充当する予定である。
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