2016 Fiscal Year Research-status Report
ポスト・レルネルのクリチバの都市計画に関する調査研究
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26420625
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
服部 圭郎 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90366906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 文彦 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (70217892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クリチバ / 都市政策 / 市民意識 / 政策評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査では、クリチバ市民を対象にアンケート調査をすることが重要な目的であったが、それを平成28年度の8月から9月にかけて実施した。アンケート調査は、インターネットそして、実際のアンケート票を幾つかの市民会合において配布したことで実施した。それらを9月末に回収した。その結果、インターネットでは65票、アンケート票では329票、合計で394票を回収することができた。これらのデータは10月から12月にかけて入力作業を行った。 これらのデータを集計して、それらの結果を考察、分析した。その結果、クリチバの政策に対しての市民の考えを把握することができた。クリチバへの愛着度を回答者の属性で分析すると、高齢者、クリチバでの滞在期間が長い人、女性の方が、クリチバへの愛着があることが明らかとなった。また、政策別にみると、高く評価されているのは公園管理、環境保全であり、逆に道路管理、交通管理などは低く評価されていることが明らかとなった。これらの政策評価も属性ごとに分析した。 また、クリチバで評価できる点、評価できない点も尋ねたが、その結果、「公園、緑地、ランドスケープ」、「清潔さ、ごみのない公共空間」、「公共交通」などは高く評価され、「暴力、治安の悪さ」、「道路の渋滞」、「道路管理の悪さ」などが低く評価されていることが明らかとなった。1970年代以降、もっとも好感度が高い市長はジャイメ・レルネル氏、次いでラファエル・グレカ氏であり、最も低いのは最近まで市長であったフルエト(二世)であった。また、レルネル市長やグレカ市長の支持が高い人々の属性も分析した。これらに加えて、バスや公園の利用頻度、観光客を連れて行きたい市内の名所など、今後のクリチバの都市政策に参考となるような情報、または現在のクリチバ市の市政の課題などが明らかとなるような設問の回答を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査は計画より遅れてしまっている。これは当初の計画では、2016年2月にアンケートを実施しようと考えていたのだが、ジカ熱がブラジルにて発生したために、大学側で出張の許可が得られなかったためである(学長による中止)。そのため、アンケートは半年遅れの8月に実施した。したがって、昨年度末には仕上げようと計画していた報告書はまだ完成していない。ただし、アンケート結果は2月下旬にクリチバの関係者に発表し、そのフィードバックを受けているので、これらを踏まえて、しっかりと考察は行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでの成果を踏まえて報告書を作成し、また学術論文の執筆および発表などを中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
ジカ熱が発生したことで、現地でのアンケート調査を遅らせたのでその分、使用額がずれこんだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果を分析するうえで、さらに必要となる情報を入手すること、またその結果を公開するための費用として使用したい。
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Research Products
(4 results)