2017 Fiscal Year Annual Research Report
The research on post Jaime Lerner city planning In Curitiba
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26420625
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
服部 圭郎 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90366906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 文彦 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (70217892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クリチバ / 都市政策 / ジャイメ・レルネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はブラジルの環境都市クリチバの都市計画の変遷の検証である。クリチバは1964年に行われた都市マスタープランのコンペ、そしてその策定によって、大規模な都市改造を行った。しかし、このコンペでの優勝者であり、1971年から92年まで断続的ではあるが3期市長を務め、また94年から2001年までパラナ州の州知事を務めたジャイメ・レルネル氏が行政を退いてから、クリチバ市は迷走し始め、市民の行政満足度も90%後半台から大きく低下している。本調査では、クリチバ市の都市計画・都市政策を「レルネル時代」、「ポスト・レルネル時代」に二分類し、市民への大規模なアンケート調査(有効回答数は394票)を行うことで、現在のクリチバ市の政策と90年代の政策とに対する市民の意識調査を行った。これによって、市民の行政満足度の内容を政策内容ごとに検証すると同時に、属性分析をすることで、属性ごとに市民の意識を分析した。 そのエッセンスを抽出して整理すると、まず、クリチバ市民は現在でもクリチバに対しては強い「愛情」を有していることが明らかになった。そして、施策ごとに市民の評価をみると「公園管理」「環境保全」「都市景観」に対しては高く評価しており、「道路管理」「交通管理」に対しては低い評価をした。1970年以降で最も好ましい市長はジャイメ・レルネル氏であり、逆に最も評価が低い市長はリカ、ドゥチ、フルエとここ最近の3市長が並んだ。今回、比較対象とした1990年代のクリチバでの政策は、1990年代にクリチバで生活している人達にとっては、現在でも高く評価されていることが明らかとなった。 これらの調査結果をジャイメ・レルネル氏やクリチバ行政関係者と議論し、そのような意識の背景の分析も行った。そして、市民が市長をはじめとした市制への信頼を低下させていることが、この結果の背景にあるとの考察を得た。
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Research Products
(5 results)