2014 Fiscal Year Research-status Report
エスノグラフィー調査に基づく自治体での都市計画GISの持続的利活用に関する研究
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26420638
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
阪田 知彦 独立行政法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (80370708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺木 彰浩 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70370707)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市計画 / 地理情報システム / 地方自治体 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少時代の都市計画を考える上で,自治体の都市計画実務における地理情報システム(以下,都市計画GIS)は重要なツールである.都市計画GISの導入・利活用状況を継続的に調べると,GISを導入はしてみたものの数年後には活用していないという自治体が散見される.これには様々な理由・要因等が複雑に介在している可能性が高く,都市計画GISを活用しなくなった自治体の概況やそうなった理由・原因等は十分に把握されていない.本研究課題は,主にGISを使わなくなった自治体へのエスノグラフィー調査(インタビュー等)を通じて,都市計画GISの持続的な利活用のためのポイントの明確化を目的とする. 平成26年度は,各自治体の都市計画GISの導入・利活用状況の時間的な変化も踏まえた分類・比較のために,平成17年から4回にわたりほぼ同じ方法で実施した都市計画GISの導入・利活用状況に関するアンケート調査の結果を,この間の市町村合併等を加味し,時系列的に分析できるように統合化する作業を実施した.一部の調査項目で,その調査時点で設定したコード体系の違いにより時系列的に比較できていない項目が残っているが,データクリーニングを引き続き実施して,これを解消できる見込みは立っている. また平成27年2月に,自治体での都市計画GISの導入・利活用状況のアップデートを目的としたアンケート調査を全都道府県・市区町村1781団体を対象に建築研究所が調査実施主体となって郵送により調査依頼を送付し,faxもしくは電子メールでの方法により最終的には1486団体から回答を得た(回収率:83.4%).年度中に中間集計を2回実施し,それぞれ建築研究所ホームページにて公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去の4回分の都市計画GISの導入・利活用状況に関するアンケート調査の結果を統合化する作業において,一部引き続き作業を実施している事項があるが,致命的な問題ではないものと考えている.また平成27年2月に実施した都市計画GISの導入・利活用状況のアップデートを目的としたアンケート調査については,計画上は回収までを目標としていたが,中間集計を公表するところまで実施できたので,目標以上の進捗となった.これにより,全体としては,上記の達成度であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年2月に実施したGISの導入・利活用状況の調査(2015年調査)の最終的な回答結果を基にした集計作業を実施する.また,過去の4回分のアンケート調査の統合化作業を完成させ,これに2015年調査の状況を追加し,都市計画GISの利活用の面からの持続性評価を実施する. 上記の持続性評価のアップデート結果を受けて,具体的な調査対象自治体を決め,順次自治体の都市計画部局担当者等へのインタビュー調査等を実施する.
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Causes of Carryover |
代表者機関分として,アンケート調査票等の印刷を外注する費用を計上していたが,機関内のプリンター出力等により実施した.また,人件費については,アンケート調査の工程を工夫する事により当初予定していた日数よりも少ない日数で対応可能となった.分担者機関に配分した物品費については,必要な性能を有する機器の発売が遅れ,それと機関内の予算執行手続きとの関係により,27年度当初に執行する事とした.また,両機関に計上していた国内旅費は,主にメール等による打ち合わせや他業務予算からの旅費支出等としたため,予定よりも少ない支出となった.したがって,以上のことによる研究全体の遅延は生じていない.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額として生じた旅費・人件費等については,27年度に実施する自治体へのインタビュー調査のための旅費,及びその調査結果の整理補助等のための人件費等に充当し使用する.また,物品費については,27年度当初に執行する.これらにより,研究全体の質を高める事ができる.
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