2015 Fiscal Year Research-status Report
日本の豪雪地帯における近世期の御蔵所の空間構成原理及び地方性に関する研究
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26420645
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
相模 誓雄 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 准教授 (20295405)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本史 / 建築史意匠 / 民俗学 / 地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.平成26年度に実施した鳥取県における鳥取藩御蔵所に関する調査の成果をもとに研究論文を作成した。学会論文集への掲載が決定した。 2.兵庫県及び京都府のうち三丹地方(旧但馬国、旧丹波国、旧丹後国)において諸藩及び幕府の御蔵所に関する史料調査及び実地調査を行った。 (1) 但馬国:出石藩や豊岡藩の御蔵所の実態が知られる史料はあまりなかった。一方、幕府の生野代官所の御蔵に関する史料が見られ、御蔵の実態が知られたので、代官所の御蔵をテーマとして調査を進めた。 (2) 丹波国、丹後国:第一に、城持ちの大名(福知山藩、園部藩、篠山藩)に関しては、城絵図に御蔵が描かれる程度であった。また、城が持てなかった小藩については、陣屋の御蔵について調査した。第二に、幕府や旗本の代官所(陣屋)の御蔵について調査した。丹波国の旗本の陣屋の御蔵の実態が知られた。第三に、丹後国の峰山藩といった近畿圏や北陸、東北地方の諸藩は、大津の米市場に蔵屋敷を有しており、大津蔵屋敷は建築史分野の研究がなされていないので、大津蔵屋敷についても検討することにした。 (3) 成果:第一に、三丹地方における幕府や旗本の代官所(陣屋)の御蔵に関する研究論文、第二に、大津蔵屋敷に関する研究論文を作成した。現在、どちらも査読審査中。 3.研究発表:平成27年11月8日に鳥取県東伯郡湯梨浜町橋津で開催された「全国藩倉シンポジウム」において、講演及びパネルディスカッションを行った。講演は、「鳥取藩以外(全国)の御蔵所について」と題し筆者のこれまでの研究の成果をもとに、日本の豪雪地帯における近世期の御蔵所に見られる型式の地方性について発表した。パネルディスカッションでは、橋津に残る鳥取藩御蔵遺構の建築的意義と活用に関して意見を述べた。以上
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2年間は、鳥取県全部、兵庫県や京都府の一部を対象地とした調査であり、調査はほぼ完了した。但し、丹後国の宮津藩等については、最終年度に現地において史料調査等を行う予定である。 出石藩の御蔵所に関する史料がなかったのが予想外であったが、予定外であった大津蔵屋敷に関する検討が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度は、本課題のテーマである日本の豪雪地帯における近世期の御蔵所の空間構成原理及び地方性に関する研究論文を作成する。また、学会での発表も予定している。
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Causes of Carryover |
所属機関の会計上の都合
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用予定
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Research Products
(3 results)