2016 Fiscal Year Annual Research Report
Enhancement of thermoelectric properties of off-stoichiometric Heusler compounds and elucidation of its mechanism
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26420664
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| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
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Principal Investigator |
西野 洋一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50198488)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ホイスラー化合物 / 擬ギャップ / 熱電変換材料 / 非化学量論組成 / ゼーベック効果 / 電気伝導 / 熱伝導 / 熱電発電 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
Fe2VAl系ホイスラー化合物熱電材料について，V/Al非化学量論組成と重元素置換の相乗効果により熱電特性の大幅な向上を図ることを目的とする。得られた知見は以下の通りである。
1. Fe2VAl系熱電材料は, p型の熱電性能がn型に比べて低いという問題がある。そこで，V/Al非化学量論組成の合金のうちVリッチのn型合金に対してTi置換を施すことにより，フェルミ準位が伝導帯側から価電子帯側にシフトするように価電子濃度を調整した結果，Vリッチ合金についてp型の無次元性能指数はZT=0.133まで増加した。
2. 鋳造法により作製したFe2VAl系熱電材料についてp-n組成制御に成功し，鋳造組織特有の効果により熱伝導率がアーク溶解材に比べて約20%低下した。これは，結晶粒微細化のほか，鋳造用原材料に含まれる不純物の影響によるものと考えられる。その結果，鋳造材のZTはアーク溶解材の約103%に増加した。
3. Fe2VAl系熱電材料について，高圧ねじり(HPT)加工による超微細粒組織を形成と熱伝導率の大幅な低減を検討した。HPT加工により結晶性が低下してゼーベック係数も低下するが，HPT加工後に900Kまで熱処理するとアーク溶解材の格子定数と一致した。つまり，熱処理により粒径100nm程度に微細化するとともに粒内の歪が減少し，ホイスラー型規則構造が回復したことを示唆している。
4. 電子構造計算と放射光による光電子分光測定によりFe2VAl系合金の熱電特性に及ぼすTa置換の効果を調べた結果，Fe-3dとV-3dの混成効果が弱くなるため，価電子帯がわずかに低結合エネルギー側にシフトするとともに擬ギャップ幅が減少することが分かった。このようなTa置換による電子構造の変化は，n型性能が低下する要因と考えられるが，p型性能の向上には有利である。
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