2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of the hetero-junction solar cell by electrochemical process and improvement of the conversion efficiency
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26420682
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
芦田 淳 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化物半導体 / 電気化学成長 / 太陽電池 / 界面反応 / 酸化銅(I) / 酸化亜鉛 / 水酸化亜鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cu2Oの電気化学成長では、前年度に引き続き電解液pHならびに電解電位によるイオン化アクセプター濃度の制御を試みた。またZnOでは、Zn(OH)2を成長初に製膜して脱水反応を経てZnOを得ることでCu2Oを還元することなく積層を形成する予定であったが,Zn(OH)2ではなく金属Znが生成し結晶成長開始点になっている可能性を見いだした。平成28年度は成長初期にZnが生成する可能性がある成長条件範囲を詳細に検討した。 電解電流密度が50μA/cm2と小さい場合、電解電位は-1.0V(vs. Ag/AgCl)より貴な(Zn(OH)2が安定な)領域内で推移する。一方、電解電流密度がより大きい場合は成長開始直後にZnが安定な電位領域に入る。また30-50sec後に再びZn(OH)2が安定な領域に戻りその後は大きな変化はなかった。このことから後者では成長初期にZnOやZn(OH)2ではなく金属Znが生成している可能性がある。一方、XRDからは全てZnO単相と同定され、仮に金属Znが生成していてもその量が極めて少ないと考えられる。また得られた薄膜の表面形態は、成長の初期に金属Znの生成電位領域に入るか否かで大きく異なっている。Zn(OH)2安定領域でのみ成長した場合は、明瞭なエッジを有する六角柱状の結晶粒から成り、粒径は約1μmであった。これに対し成長初期に金属Znが安定な電位領域に入った場合は、粒径はより小さくかつ電解電流密度の増加に伴って減少した。粒の形態も電流密度の増加と共にエッジが曖昧になり、1100μA/cm2以上では直線的なエッジは見られない形状となった。これらの結果は、電解電流密度によって成長速度が異なることによる可能性の他に、成長の極初期に極めて微量の金属Znが析出することで、それが成長開始点となって最終的にZnOが得られているという可能性を示唆するものである。
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