2014 Fiscal Year Research-status Report
原子ステップ・デコレーションを用いた自己組織化によるグラフェン・ナノワイヤの作製
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26420692
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Research Institution | Kanagawa Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
金子 智 神奈川県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (40426359)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グラフェン / レーザ蒸着法 / 絶縁基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコンの100倍の移動度や鉄鋼の200倍の強度を 示すグラフェンは様々な応用が期待され、理論から実用に 移る時期であるが、製膜温度が1000度を超える・触媒が必要である等、その作製方法が確立されていない。本研究では、敢えて酸化雰囲気中での炭素系製膜を行い、酸化分解によりアモルファスカーボンを除去して、高品質なグラフェン膜の作製を目指している。 本年度は、カーボンタ-ゲットを用いた酸化雰囲気中でのパルスレーザ蒸着法による製膜を目指している。ターゲットには、通常のカーボン材料、グラッシーカーボンや高配向熱分解黒鉛(HOPG)を用いた。その結果、各種ターゲットによって、光学特性(ラマン測定)に影響はなかったが、原子力顕微鏡による表面観察においてはHOPGを用いた試料において表面形態が良いことが分かった。 レーザ蒸着法による製膜では、グラファイトの成長を光学特性ラマン測定を用いて確認している。製膜条件の最適化により、ラマン測定によりグラフェンを示す"Gプライム"ピークの強度が強くなることを確認している。薄膜化によりラマンピークから多層グラフェンの成長が確認されたが、極薄膜化したあとではグラフェンによるラマンピークは確認できなかった。更に、製膜条件の最適化や基板処理条件の検討により、AFMを用いた観察でグラファイトの六員環を確認している。現在、電気特性測定用のホールバーの検討を行っており、今後、電気移動度などの測定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化雰囲気中でのグラファイトの成長をラマン測定により確認している。また、極薄膜での表面ではAFMにより六員環の存在を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、電気特性測定用のホールバーの検討を行っており、今後、電気移動度などの測定や電界トランジスターの作製を予定している。また、極短時間での製膜を行い、グラフェン膜の初期成長の観察を行う。
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Causes of Carryover |
特許申請のため、学会発表や論文投稿などの外部発表を控えていた。現在、特許出願の準備中である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特許出願後には学会発表などに積極的に参加し、本手法の優位性についてPRしていきたい。
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