2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420693
|
Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
幾原 裕美 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (80450849)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 蓄電池材料 / リチウムイオン二次電池 / 透過型電子顕微鏡 / 微細構造 / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、Liイオン二次電池は、高いエネルギー密度、出力密度が得られることから、蓄電池材料として開発研究が進められている。代表的なLiイオン電池用正極材料としては、Liと遷移金属酸化物との複合体として、MO6八面体とPO4四面体のネットワーク構造内をLiイオンが一次元に脱挿入するオリビン化合物(LiFePO4、LiCoPO4)、CoO6八面体ネットワークの層間をLiイオンが二次元に脱挿入するLiCoO2化合物などがある。また、スピネル構造を有するLiMn2O4では、Liイオンは三次元的に構造内を脱挿入するという特徴がある。これらの電池材料の複合化、積層化を進める上で、電極の微細構造、正極材料の界面や粒界等、ナノレベルでの微細構造解析が必要となる。本研究では、化学溶液法を用いて構造制御したLiイオン二次電池材料の作製条件を検討し、合成条件と結晶化挙動、結晶構造、微細構造との相関性について明らかにしてきた。特にLiイオン二次電池用正極材料について、モデル基板への成膜化を進め、基板への正極膜の形成条件として、溶液調製、熱処理条件等のプロセスと構造との相関性について詳細に検討した。また、各試料の微細構造、元素分布、膜形成における基板との整合性について明らかにした。基板直上において正極膜の格子歪が導入されることでミスフィットが緩和され、配向膜が形成されたことなどを、電子顕微鏡による原子レベルの構造解析を行うことで明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学溶液法による蓄電池材料の粉末合成、膜形成、および、合成材料の構造解析について、本年度の研究目的をおおむね達成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに研究を推進する。 化学合成手法を検討することで、構造を制御した電極材料、電極膜を作製する。作製した試料の結晶構造、原子レベルでの微細構造解析を進め、電極構造に与える添加元素の影響等の検討を進める。
|
Causes of Carryover |
平成27年度に導入予定であった電気化学測定解析装置を平成28年度に導入するよう変更した。そのため、次年度使用額がプラスとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
化学溶液法により作製した構造制御型蓄電池材料について電気化学測定解析を実施する。
|
Research Products
(4 results)